セグメント
| セグメント | 当期売上高 | 前年同期売上高 | 当期セグメント利益 | 前年同期セグメント利益 |
|---|---|---|---|---|
| 物流事業 | 50,153,862千円 | 44,642,417千円 | 3,301,377千円 | 3,183,671千円 |
| その他 | 614,626千円 | 639,634千円 | 182,766千円 | 124,955千円 |
物流事業は物流センター運営、輸配送、倉庫などを含む。その他には文書保管・BPO、不動産賃貸、情報システムなどが含まれる。
決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 507.68億円 | 452.82億円 | +12.1% | 660億円 | 76.9% |
| 営業利益 | 35.16億円 | 33.44億円 | +5.2% | 44.83億円 | 78.4% |
| 経常利益 | 36.89億円 | 33.68億円 | +9.5% | 45億円 | 82.0% |
| 純利益 | 24.61億円 | 23.44億円 | +5% | 27.38億円 | 89.9% |
| EPS | 153.65円 | 146.38円 | +5.0% | 171.01円 | 89.8% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +5.0% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は6.9%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は35.16億円、前年比は+5.2%です。増益そのものより、営業利益率6.9%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は507.68億円、前年比は+12.1%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は48.0%、純資産は173.17億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高660億円、営業利益44.83億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産360.54億円、純資産173.17億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率48.0%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高507.68億円(+12.1%)、営業利益35.16億円(+5.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益24.61億円(+5%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高660億円、営業利益44.83億円、経常利益45億円、純利益27.38億円、EPS171.01円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高507.68億円、営業利益35.16億円、純利益24.61億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「平成29年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、AZ-COM丸和ホールディングス、開示日: 2017-02-02