決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 282.58億円 | 269.61億円 | +4.8% | 565.00億円 | 50.0% |
| 営業利益 | 8.34億円 | 14.05億円 | -40.7% | 20.00億円 | 41.7% |
| 経常利益 | 11.15億円 | 18.16億円 | -38.6% | 24.00億円 | 46.5% |
| 純利益 | -16.98億円 | 18.07億円 | 赤字転落 | 6.50億円 | ― |
| EPS | -141.55円 | 145.08円 | 赤字転落 | 54.17円 | ― |
金額は公式の百万円表示を億円へ換算。増減率は開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値からの概算。進捗率は累計実績を会社の通期予想で割った単純計算で、1株値は株式分割の影響があるため進捗を示していない。純利益は親会社に帰属する利益を用いる。
会社の補足表による7~9月単独売上は149.44億円、営業利益は11.20億円。4~6月の売上133.14億円、営業損失2.85億円から増収・黒字転換した。売上のQoQは表示値から約12.2%増。各四半期の百万円単位の切捨てで累計との差が生じる。
セグメント
| 事業・区分 | 当期売上・収益 | 前年同期売上 | 当期利益 |
|---|---|---|---|
| 海運事業 | 254.75億円 | 248.10億円 | 6.57億円 |
| ホテル事業 | 13.45億円 | 12.50億円 | 0.66億円 |
| 不動産事業 | 3.01億円 | 2.89億円 | 1.30億円 |
| その他 | 11.38億円 | 6.13億円 | -0.19億円 |
原表は千円。外部顧客への売上高で、事業概況の内部取引込みの金額とは異なる。利益は営業利益との調整前。減損損失は営業利益とは別の特別損失。
国内航路では商品車両等が堅調でも、紙製品・紙原料が減少。燃料油価格調整金への反映が原価上昇に追いつかなかった。ホテルは宿泊単価と道内客、不動産は賃料改定で改善したが、海運の利益低下を補えていない。
財務安全性
総資産792.98億円、純資産343.36億円。自己資本比率は41.7%。資本の厚さと営業活動から生む資金は別の指標であり、利益・資産評価・株主への支払を分けて確認する。
営業CFは8.47億円、投資CFは-18.40億円、財務CFは-12.60億円。期末の現金同等物は99.74億円。営業・投資CFの合計は-9.93億円となるが、投資CFは設備取得以外に資産売却等を含むため、設備投資だけの資金負担とは区別する。
2026年9月30日時点の発行済株式数は12,739,696株、自己株式数は841,085株。EPSに用いる期中平均株式数とは異なるため、期末残高から計算した1株利益と一致するとは限らない。
定量評価
EPSは-141.55円、前年同期は145.08円で、比較は赤字転落。利益総額の変化だけでなく、期中平均株式数や自己株式の変化にも影響される。営業利益率は約3.0%、前年は約5.2%。金額の増減と売上・収益に対する採算を分けて評価する。
| 指標 | 確認できる範囲 |
|---|---|
| EPSの前年同期比較 | 赤字転落。株式分割・自己株式の条件を確認 |
| ROIC | この短信から当該期間の同一条件の開示値を確認できず、推計しない |
| PER推移 | 同時点の株価を確認していないため算定しない |
通期営業利益予想が20.00億円のため、会社計画に届くには残る期間で約11.66億円が必要となる。これは会社予想から累計実績を引いた計算であり、残る四半期の予想値を新たに示すものではない。期間の長さや季節性を無視して同じ利益が続くとは見込まない。
ポジティブ要因
全社の7~9月単独営業利益は11.20億円となり、4~6月の2.85億円の赤字から改善した。ただし、これは累計との差額ではなく会社補足表の単独四半期値である。ホテルや賃貸の増益も、全社の最終赤字を解消する規模にはない。
リスク要因
燃料、船員費、貨物費、資機材費の上昇が海運の採算を圧迫する。減損は当期の現金支払そのものではないが、船舶の将来収益見通しを反映する会計処理である。単なる一時費用として収益性の課題まで取り除かない。
業界動向との関連
モーダルシフトで貨物を取り込んでも、燃料費の転嫁が遅れれば利益は増えない。栗林商船の今回はその影響が表れた。航路ごとの貨物構成、燃料調整金の時差、船舶維持費を分けて見る必要がある。
株価への示唆
修正後の通期純利益6.50億円予想には、投資有価証券売却益約22億円の計上見込みがある。最終黒字予想を海運の回復と同一視しない。次回は海運の営業採算、減損後の稼働と燃料転嫁、証券売却の実行を確認したい。
今期の総括
減損と本業減益の両方が重なった。7~9月の営業黒字は改善材料だが、通期最終利益は資産売却にも依存する。通常の海運利益が戻るかを重視し、現段階では弱気と判断した。
来期見通し
2027年3月期の会社予想は、売上高565.00億円、営業利益20.00億円、純利益6.50億円。予想は今回の公表時点の前提に基づくもので、受注、需要、原価、資金調達環境などで変わり得る。中間配当は0円実績。期末は30円予想。年間は30円予想。
総合判断
弱気。減損と本業減益の両方が重なった。次回は海運の営業採算、減損後の稼働と燃料転嫁、証券売却の実行を確認したい。
出典
- 栗林商船 公式IR・決算資料:令和9年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年11月6日。