コーア商事ホールディングス(9273)2027年6月期第1四半期累計の決算と確認点 原薬・製剤とも減益、新工場の稼働と受注を確認。上期の弱さだけでなく、設備の立ち上がりと受注の実現性を確認したい。 2026年11月6日 決算発表 | 2027年6月期第1四半期累計 コーア商事ホールディングス(9273) 原薬・製剤とも減益、新工場の稼働と受注を確認売上高57.71億円営業利益11.13億円EPS18.46円 上期の弱さだけでなく、設備の立ち上がりと受注の実現性を確認したい。 kabutrack.com

決算サマリー

項目 当期実績 前年同期 増減率 通期会社予想 進捗率
売上高 57.71億円 59.51億円 -3% 267億円 21.6%
営業利益 11.13億円 13.52億円 -17.7% 52.70億円 21.1%
経常利益 11.42億円 13.40億円 -14.8% 52.60億円 21.7%
純利益 7.77億円 8.91億円 -12.8% 35.90億円 21.6%
EPS 18.46円 21.18円 -12.8% 85.24円 ―

金額は公式開示を億円へ換算した。増減率は会社開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値を用いた概算。端数処理のため金額から再計算した率に小幅な差がある。進捗は累計実績を通期会社予想で割った単純計算で、季節性や費用発生の時期を示すものではない。

前四半期比(QoQ)は、同じ連結・会計範囲の単独四半期を確認できる比較資料がそろわないため示していない。累計の期間長が異なる数字を直接比較せず、上表の前年同期比較を用いる。

セグメント

事業・区分 当期売上 前年同期 当期利益 前年同期利益
原薬販売 36.89億円 37.17億円 7.27億円 8.41億円
医薬品製造販売 20.83億円 22.35億円 3.75億円 5.49億円

売上は外部顧客向け。原薬販売の内部売上264.245百万円を除き、事業概況の3952百万円と区別した。利益合計1101.318百万円に調整11.911百万円を反映し、営業利益1113.230百万円となる。

原薬は中枢神経系等が伸びたが、循環器官用・感覚器官用等が減少した。製剤はプレフィルドシリンジが増加しても主力錠剤の減少を補えなかった。製剤のセグメント利益は31.7%減で、二事業のうち利益低下がより大きい。

財務安全性

総資産390.82億円、純資産311.25億円、自己資本比率79.6%。商品・製品が2.81億円、建設仮勘定が2.62億円増加した一方、売上債権が減少した。設備関係未払金は12.94億円減り、短期借入金は12.30億円増加。高い資本比率と、新工場へ必要となる資金の動きを分けて評価する。

定量評価

EPSは18.46円で、前年同期21.18円との比較は-12.8%。最終利益の変化に加え、期中平均株式数の影響も受ける。営業利益率は約19.3%(前年約22.7%)。売上の規模と採算を分けて評価する。

指標 確認できる値・範囲 読み方
EPS成長 -12.8% 分割換算と株式数の変化に注意
ROIC 本短信に当該期の開示値なし 税率・投下資本の仮定による推計は行わない
PER推移 算定せず 同一時点の株価と比較期間を確認していないため

2026年9月30日の発行済株式数は42,119,980株、自己株式数は1,476株。EPSは期中平均株式数で計算するため、期末の発行済株式数から自己株式を引いて割った値とは一致しない。1株利益の伸びは利益総額の伸びと区別して確認する。

ポジティブ要因

プレフィルドシリンジ製剤の需要を取り込むため、蔵王第二工場の準備を進めている。原薬の一部領域も増加しており、売上のすべてが落ちているわけではない。自己資本比率は高く、新工場稼働までの収益変動に対する財務的な余力はある。

リスク要因

製剤販売の利益低下幅が大きく、新工場の計画が遅れれば第4四半期への売上・利益の集中が一段と強くなる。需要があっても製造立ち上げや品質管理、受託契約の実行が必要になる。原薬の仕入れは為替にも影響され、円安局面では価格交渉や為替予約だけで負担をすべて抑えられるとは限らない。

業界動向との関連

ジェネリック薬の安定供給には原薬調達と製造能力、品質管理が必要となる。プレフィルドシリンジ等の需要機会と、既存錠剤の減少は別の動きである。同社の設備投資を将来売上へ直結させず、工場の稼働日、受注の確定、供給開始後の採算を段階的に確かめたい。

株価への示唆

次回は原薬の品目別需要と製剤の販売、新工場の稼働準備を確認する。通期営業利益52.70億円に対し第1四半期は11.13億円で進捗21.1%。会社は概ね計画どおりとするが、その説明を将来の達成保証に置き換えず、後半の増収・採算で検証する。

今期の総括

足元は二事業とも減収減益で、利益拡大は新工場等を含む後半の計画に依存する。資本の厚さを支えとしつつ、建設投資が受注・生産・回収につながる順番を確認したい。

来期見通し

8月7日公表の通期売上267億円、営業利益52.70億円、純利益35.90億円を維持した。配当予想は中間0円、期末19円の年間19円で、まだ中間実績ではない。蔵王第二工場は2027年3月稼働を目指す予定であり、稼働済みとは記さない。次年度の予想は未公表。

総合判断

中立。次回は原薬の品目別需要と製剤の販売、新工場の稼働準備を確認する。資本の厚さを支えとしつつ、建設投資が受注・生産・回収につながる順番を確認したい。

出典