伊勢湾海運(9359)2027年3月期中間期の決算と確認点 取扱貨物は底堅くも営業減益、最終増益と区別。名古屋港を中心とする貨物の増減は顧客の生産・輸出入に左右される 2026年11月6日 決算発表 | 2027年3月期中間期 伊勢湾海運(9359) 取扱貨物は底堅くも営業減益、最終増益と区別売上高289.76億円営業利益13.64億円EPS52.04円 名古屋港を中心とする貨物の増減は顧客の生産・輸出入に左右される kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率通期会社予想進捗率
売上高289.76億円287.80億円+0.7%570.00億円50.8%
営業利益13.64億円18.41億円-25.9%31.50億円43.3%
経常利益16.88億円19.67億円-14.2%37.00億円45.6%
純利益12.71億円11.77億円+8.0%24.00億円53.0%
EPS52.04円48.31円+7.7%98.43円―

金額は公式の百万円表示を億円へ換算。増減率は開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値からの概算。進捗率は累計実績を会社の通期予想で割った単純計算で、1株値は株式分割の影響があるため進捗を示していない。純利益は親会社に帰属する利益を用いる。

7〜9月単独の売上高は約150.79億円、営業利益は約7.80億円。前四半期比(QoQ)はそれぞれ+8.5%、+33.6%。累計開示の差額に基づく概算で、季節性や費用計上時期を含む。

セグメント

事業・区分当期売上・収益当期利益
船内荷役40.49億円非開示
はしけ運送0.24億円非開示
沿岸荷役37.09億円非開示
倉庫18.58億円非開示
海上運送50.71億円非開示
陸上運送43.15億円非開示
附帯作業96.87億円非開示
手数料2.58億円非開示

会社概況の作業種別売上であり、報告セグメント別利益ではない。百万円単位の概数のため合計は連結売上と一致しない。作業別利益は示されていない。

鋼材・原料などの貨物は底堅かったが、非鉄金属と金属加工機は伸び悩んだ。船内荷役は9.7%増、陸上運送は8.2%増だったのに対し、海上運送は7.6%減。金額の大きい業務と、増収率の高い業務を分けて見る必要がある。

財務安全性

総資産646.61億円、純資産528.50億円。自己資本比率は78.3%。資本の厚さと営業活動から生む資金は別の指標であり、利益・資産評価・株主への支払を分けて確認する。

今回の短信で当該期の営業・投資CFをそろえて確認できないため、キャッシュ・フローの数値評価は行っていない。現金預金の期末残高の変化だけから営業CFを逆算せず、次の資金収支開示と合わせて判断する。

2026年9月30日時点の発行済株式数は27,487,054株、自己株式数は3,023,802株。EPSに用いる期中平均株式数とは異なるため、期末残高から計算した1株利益と一致するとは限らない。

定量評価

EPSは52.04円、前年同期は48.31円で、比較は+7.7%。利益総額の変化だけでなく、期中平均株式数や自己株式の変化にも影響される。営業利益率は約4.7%、前年は約6.4%。金額の増減と売上・収益に対する採算を分けて評価する。

指標確認できる範囲
EPSの前年同期比較+7.7%。株式分割・自己株式の条件を確認
ROICこの短信から当該期間の同一条件の開示値を確認できず、推計しない
PER推移同時点の株価を確認していないため算定しない

通期営業利益予想が31.50億円のため、会社計画に届くには残る期間で約17.86億円が必要となる。これは会社予想から累計実績を引いた計算であり、残る四半期の予想値を新たに示すものではない。期間の長さや季節性を無視して同じ利益が続くとは見込まない。

ポジティブ要因

売上が横ばい圏でも営業黒字を維持し、自己資本比率は78.3%だった。倉庫料や陸上運送料など複数の収入源がある。ただし作業別利益の開示はなく、単価や貨物構成の変化から高採算業務が伸びたとまでは判断できない。

リスク要因

名古屋港を中心とする貨物の増減は顧客の生産・輸出入に左右される。人手や設備の費用を負担するなかで、取扱量が維持されても利益率が下がる場合がある。受取手形・売掛金・契約資産の増加を売上増加と同じ意味で評価しない。

業界動向との関連

港湾物流は完成車や原材料など貨物構成によって収益の動きが変わる。同社の上期は売上が維持されても営業利益が減少しているため、港全体の貿易量だけでは説明が足りない。新たな設備投資が稼働量と採算につながるかを見たい。

株価への示唆

通期営業利益31.50億円、純利益24億円の予想は変更なし。中間純利益の進捗53.0%に対し営業利益は43.3%で、最終利益の進捗だけでは本業の状態を測れない。次回は作業別の増減と営業利益率の持ち直しを確認する。

今期の総括

財務基盤は厚いが、中間の本業利益は前年を下回った。売上維持と最終増益を並べるだけでは採算の低下を見落とす。営業利益の回復、設備投資の進捗、運転資金の回収を合わせて確認する中立の判断とした。

来期見通し

2027年3月期の会社予想は、売上高570.00億円、営業利益31.50億円、純利益24.00億円。予想は今回の公表時点の前提に基づくもので、受注、需要、原価、資金調達環境などで変わり得る。中間配当は15円実績。期末は15円予想。年間は30円予想。

総合判断

中立。財務基盤は厚いが、中間の本業利益は前年を下回った。次回は作業別の増減と営業利益率の持ち直しを確認する。

出典