決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 149.33億円 | 147.38億円 | +1.3% | 625.00億円 | 23.9% |
| 営業利益 | 11.06億円 | 10.60億円 | +4.3% | 45.30億円 | 24.4% |
| 経常利益 | 11.73億円 | 13.03億円 | -10.0% | 49.60億円 | 23.6% |
| 四半期純利益 | 7.89億円 | 8.70億円 | -9.3% | 33.90億円 | 23.3% |
| EPS | 33.61円 | 37.07円 | -9.3% | 144.29円 | 23.3% |
営業段階は増益だが、前年同期に1.75億円の為替差益があった反動で経常利益以下は減益となった。会社は進捗を概ね計画どおりとして通期予想を据え置いた。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -9.3% | 前年同期比 | 為替差益反動が影響 |
| ROIC | 開示なし | 投下資本の詳細不足 | 推計を保留 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジ未確認 | 理論株価を算定せず |
営業利益率は7.4%で前年同期の7.2%から小幅改善した。営業利益の質は悪くないが、最終利益は為替損益に振られており、営業段階と経常段階を分けて見る必要がある。
ポジティブ要因
運賃上昇と粗利率改善
春節時期のずれで3月の取扱量は減ったが、海上運賃、国内陸送費、燃油サーチャージの上昇と円安が営業収益を押し上げた。売上総利益は25.61億円から26.93億円へ増加した。
日本事業が増収増益
日本は営業収益127.97億円で3.0%増、セグメント利益8.71億円で4.0%増となった。輸出入合計62,397TEUは2.8%減でも、単価と粗利率で補った形である。
中国事業の利益率改善
中国は営業収益17.40億円で6.7%減ったが、費用抑制と粗利率改善によりセグメント利益は1.96億円と31.2%増えた。数量だけでなく採算を守れている。
リスク要因
貨物数量の減少
海上輸送の輸入は58,493TEUで2.3%減、輸出入合計は2.8%減、通関受注件数も38,459件で2.5%減だった。運賃が低下した局面では数量減が収益へ表れやすい。
為替差益の反動
前年同期の為替差益1.75億円に対し、当期は為替差損0.12億円となった。営業増益でも経常利益が10.0%減った理由であり、円相場は利益段階の見え方を変える。
その他地域の減益
台湾は堅調だったが、ミャンマーの物流受注低迷とベトナムの組織再編で、その他地域は営業収益3.95億円、セグメント利益0.38億円となり、それぞれ12.3%、47.5%減少した。
財務安全性
総資産280.97億円、純資産205.52億円、自己資本比率71.8%で財務基盤は厚い。第1四半期はキャッシュ・フロー計算書を作成していないため営業CFは未開示。純資産は四半期利益7.89億円を計上した一方、配当12.92億円により前期末比3.05億円減少した。
業界動向との関連
国際物流では燃油高、人手不足、地政学リスクが運賃と輸送ルートを揺らす。エーアイテイーは中国発日本向け貨物を軸に、運賃上昇を価格転嫁できたが、数量減が続けば単価効果だけでは補いにくくなる。
株価への示唆
市場データ未取得のためPERレンジと理論株価は算定しない。会社予想EPS144.29円と年間配当110円は下支え材料になり得るが、評価には輸送数量の回復と為替損益を除いた利益成長の確認が必要である。運賃と粗利率が維持される場合は営業増益が続きやすい一方、運賃正常化と貨物数量減が重なる場合は営業利益の伸びが鈍る。
今期の総括
数量減を運賃上昇と粗利率改善で補い、営業利益は4.3%増えた。数字は営業段階までなら堅い。経常利益以下の減益は前年の為替差益反動が大きく、本業の悪化と同一視しない方がよい。
来期見通し
通期予想は営業収益625.00億円、営業利益45.30億円、経常利益49.60億円、純利益33.90億円で据え置いた。第2四半期累計は営業収益301.50億円、営業利益20.70億円を計画する。年間配当予想は前期比10円増の110円である。
総合判断
総合判断は中立である。営業利益率改善と自己資本比率71.8%は評価できるが、貨物数量は減り、為替差益の反動で最終利益も減った。次回はTEUと通関件数の回復、運賃水準、為替損益を除く経常利益を確認したい。
出典
- エーアイテイー「2027年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月15日開示