KDDI(9433)の2027年3月期中間期通信・金融が増収、減損で報告営業利益の伸びは限定。調整後利益だけで収益力を判断せず、減損対象事業の資金負担と再発可能性を確認する2027年3月期中間期|2026年11月6日開示KDDI(9433)通信・金融が増収、減損で報告営業利益の伸びは限定売上高30,528.11億円営業利益5,592.91億円EPS96.83円調整後利益だけで収益力を判断せず、減損対象事業の資金負担と再発可能性を確認するkabutrack.com

決算サマリー

項目 当期実績 前年同期 増減率 通期会社予想 進捗率
売上高 30,528.11億円 29,160.05億円 +4.7% 64,100.00億円 47.6%
営業利益 5,592.91億円 5,550.04億円 +0.8% 非開示 ―
税引前利益 5,933.07億円 5,633.97億円 +5.3% 非開示 ―
純利益 3,632.74億円 3,598.82億円 +0.9% 非開示 ―
EPS 96.83円 92.37円 +4.8% 非開示 ―

短信表紙は百万円表示、本文の金額は億円へ換算。CFと事業別表は各原表の単位を確認して換算した。増減率は会社開示を基本とし、EPSなどの計算値は表示額からの概算。進捗率は累計実績を通期予想で割った単純計算で、季節性や下期の費用を織り込んだ予測ではない。EPSの進捗率は示さない。

主表はIFRSの営業利益。会社の調整後営業利益は6,330.82億円、前年5,557.02億円であり、主表の営業利益とは別の指標である。

セグメント

事業・区分 当期売上 前年売上 増減率 当期調整後営業利益 前年調整後営業利益
テレコムコア 22,010.41億円 21,341.15億円 +3.1% 4,356.73億円 3,732.99億円
パーソナルグロース 6,053.13億円 5,587.59億円 +8.3% 1,149.35億円 1,108.40億円
ビジネスグロース 3,309.16億円 3,003.48億円 +10.2% 399.67億円 336.56億円

事業別説明の売上と調整後営業利益。売上は内部取引を含み、全社売上と単純合算できない。調整後利益はIFRS営業利益とは異なる。その他・全社調整を含まない主な区分の表。

財務安全性

総資産188,463.31億円、純資産・資本合計55,285.33億円。自己資本比率・親会社帰属持分比率は26.5%。資産評価や利益の蓄積を含む資本の厚さと、営業活動の資金収支は分けて確認する。

営業CFは4,282.03億円、投資CFは-3,361.03億円、財務CFは-2,831.73億円。現金同等物の残高は8,886.70億円。営業・投資CFの単純合計は921.00億円だが、投資CFには設備取得のほか資産売却や有価証券の取得等も含まれる。

定量評価

EPSは当期96.83円、前年同期92.37円。増減率は+4.8%。利益総額に加えて期中平均株式数も影響する。営業利益率は18.3%、前年は19.0%。増収の大きさだけでなく、売上に対して残る利益を比較する。

同じ会計範囲・利益定義でそろう前四半期との比較は示していない。累計の前年同期比較を中心に確認する。

2026-09-30時点の発行済株式数は4,007,450,967株、自己株式は312,265,319株。期中平均株式数は3,751,630,609株で、EPSはこの平均株式数を基にした実績。期末株式数と期中平均は基準が異なるため、期末株式数でEPSを再計算しない。

指標 確認範囲
EPSの前年同期比較 +4.8%
ROIC 投下資本・税率の仮定を置いた推計は行っていない
PER推移 同時点の株価と過去レンジの比較は行っていない

ポジティブ要因

テレコムコアは売上22,010.41億円で最も大きい。同区分の利益は4,356.73億円。ビジネスグロースの利益399.67億円も合わせ、売上規模と利益貢献を分けて読む。 営業利益は前年5,550.04億円から当期5,592.91億円へ増えた。

リスク要因

調整後利益だけで収益力を判断せず、減損対象事業の資金負担と再発可能性を確認する。金融事業の資産・負債を含むため、自己資本比率と営業CFも一般の通信専業と単純比較しない。

業界動向との関連

KDDIでは、モバイル、金融、データセンターなどが伸び、会社の調整後営業利益は13.9%増えた。事業別の売上と採算が同じ方向に動くかが、情報・通信業という業種全体の印象よりも今回の数字を理解する手掛かりになる。

株価への示唆

KDDIの決算を評価する際は、当期の営業利益5,592.91億円から、次の期間の利益と資金回収がどう変化するかを確かめる。営業CF4,282.03億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。業績の改善が確認できても、発表前の期待や価格に織り込まれていれば、株価が同じ方向に動くとは限らない。

今期の総括

通信・金融が増収、減損で報告営業利益の伸びは限定。営業CF4,282.03億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。

来期見通し

通期会社予想は売上高64,100.00億円、営業利益非開示、純利益非開示、EPS非開示。会社の調整後通期営業利益予想は1兆2,100億円、親会社帰属調整後利益は7,310億円。IFRS実績との進捗率を計算せず、主表では同一定義の予想を空欄とした。会社予想と実績を分け、進捗の高低だけで上振れ・下振れを断定しない。 配当の会社開示は、期末予想 42.00円、年間予想 84.00円、中間実績 42.00円。実績と予想を区別し、株式分割がある場合は1株額の基準日も合わせる。会社予想

総合判断

中立。調整後利益だけで収益力を判断せず、減損対象事業の資金負担と再発可能性を確認する。一方、イーオンやmenu関連の減損などを含むIFRS営業利益は0.8%増で、調整後利益との差が大きい。

出典

  • KDDI 公式IR・決算資料。
  • KDDI「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年11月6日開示)。