決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 15.66億円 | 16.30億円 | -3.9% | 65億円 | 24.1% |
| 営業利益 | 2.54億円 | 1.88億円 | +34.7% | 8.50億円 | 29.9% |
| 経常利益 | 2.33億円 | 1.42億円 | +64.5% | 7.30億円 | 31.9% |
| 純利益 | 1.68億円 | 0.96億円 | +74.4% | 5億円 | 33.6% |
| EPS | 11.04円 | 5.92円 | +86.5% | 33.76円 | 32.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
SE H&Iは出版、コーポレートサービス、ソフトウェア・ネットワーク、教育・人材、投資運用の5セグメントを開示しています。2027年3月期第1四半期は、出版や教育・人材が減収となる一方、投資運用が保有株の一部売却と配当金収入で大きく伸び、連結利益を支えました。
| セグメント | 外部顧客向け売上高 | 前年同期 | 前年同期比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|---|
| 出版 | 6.89億円 | 8.44億円 | -18.4% | -0.22億円 |
| コーポレートサービス | 0.75億円 | 0.94億円 | -19.8% | -0.15億円 |
| ソフトウェア・ネットワーク | 1.67億円 | 2.16億円 | -22.7% | 0.01億円 |
| 教育・人材 | 2.77億円 | 3.13億円 | -11.6% | 0.35億円 |
| 投資運用 | 3.56億円 | 1.61億円 | +120.8% | 3.20億円 |
セグメント利益の合計は3.20億円で、全社費用などの調整額-0.66億円を反映した連結営業利益は2.54億円です。出版とソフトウェア・ネットワークの売上減が残るため、今回の増益は投資運用にかなり寄った内容です。ここは市場が素直に営業成長として評価しにくい部分です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +86.5% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は16.2%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は2.54億円、前年比は+34.7%です。増益そのものより、営業利益率16.2%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は15.66億円、前年比は-3.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は61.1%、純資産は119.12億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高65億円、営業利益8.50億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産195.09億円、純資産119.12億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率61.1%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高15.66億円(-3.9%)、営業利益2.54億円(+34.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1.68億円(+74.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高65億円、営業利益8.50億円、経常利益7.30億円、純利益5億円、EPS33.76円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高15.66億円、営業利益2.54億円、純利益1.68億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、SE H&I、開示日: 2026-07-23