丸建リース(9763)2027年3月期中間期の決算と確認点 工事採算改善で営業増益、海外利益減とCF赤字を点検。国内工事の利益と、海外損益・資金負担を分けて見る決算である。 2026年11月6日 決算発表 | 2027年3月期中間期 丸建リース(9763) 工事採算改善で営業増益、海外利益減とCF赤字を点検売上高124.62億円営業利益9.29億円EPS69.07円 国内工事の利益と、海外損益・資金負担を分けて見る決算である。 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率通期会社予想進捗率
売上高124.62億円127.77億円-2.5%275億円45.3%
営業利益9.29億円7.85億円+18.3%16億円58.1%
経常利益9.46億円11.68億円-19%20億円47.3%
純利益6.57億円8.30億円-20.8%14億円46.9%
EPS69.07円87.25円-20.8%147.09円―

金額は公式開示を億円へ換算した。増減率は会社開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値を用いた概算。端数処理のため金額から再計算した率に小幅な差がある。進捗は累計実績を通期会社予想で割った単純計算で、季節性や費用発生の時期を示すものではない。

7〜9月単独の売上高は約59.23億円、営業利益は約3.69億円。前四半期比(QoQ)はそれぞれ-9.4%、-34.1%。累計開示の差額に基づく概算で、季節性や費用計上時期を含む。

セグメント

事業・区分当期売上前年同期当期利益前年同期利益
重仮設88.72億円94.99億円9.64億円10.56億円
重仮設等工事28.46億円24.77億円3.29億円0.92億円
土木・上下水道施設工事等7.42億円7.99億円-0.04億円0.25億円

事業概況の百万円表示による売上とセグメント損益。利益は営業利益との調整を行う指標で、調整後の全社営業利益は929百万円。前年比較は企業結合の暫定会計確定を反映した値。建設資材・工事の事業であり、金融機関の収益として扱わない。

重仮設は賃貸稼働量が増えても販売案件の進捗遅れで減収減益。工事は採算改善と竹本基礎工事の反映で利益が増加した。土木・上下水道施設工事等は工期遅れや費用増加で赤字。4月取得の大地リースと、10月取得完了の雄正工業は連結への取り込み時期を区別する。

財務安全性

総資産398.86億円、純資産193.85億円、自己資本比率46.8%。営業CFはマイナス4.29億円、投資CFはマイナス7.86億円、財務CFはプラス15.28億円。現金同等物は19.57億円へ増加したが、借入増を伴う。売上債権減少の一方、仕入債務の41.49億円減少が営業CFを圧迫した。

定量評価

EPSは69.07円で、前年同期87.25円との比較は-20.8%。最終利益の変化に加え、期中平均株式数の影響も受ける。営業利益率は約7.5%(前年約6.1%)。売上の規模と採算を分けて評価する。

指標確認できる値・範囲読み方
EPS成長-20.8%分割換算と株式数の変化に注意
ROIC本短信に当該期の開示値なし税率・投下資本の仮定による推計は行わない
PER推移算定せず同一時点の株価と比較期間を確認していないため

2026年9月30日の発行済株式数は10,288,320株、自己株式数は770,854株。EPSは期中平均株式数で計算するため、期末の発行済株式数から自己株式を引いて割った値とは一致しない。1株利益の伸びは利益総額の伸びと区別して確認する。

ポジティブ要因

重仮設等工事は利益3.29億円へ拡大し、M&A関連費用を含みながら全社営業増益を確保した。工事の選別と採算改善が収益へ表れている。累進配当方針は還元の方向を示すが、資金収支が弱い局面では投資・借入と合わせて確認する必要がある。

リスク要因

海外会社では前年の一過性利益の一巡と大型案件の工期遅れで持分法利益が減少した。国内の営業増益だけで経常利益の持続性は測れない。買収支出や借入増、工事費の上昇もあり、現金残高が増えたことを営業での資金創出と誤解しない。

業界動向との関連

建設資材の賃貸と工事は、インフラ投資の需要だけでなく案件の進捗・稼働率・原価管理に左右される。名称にリースを含んでも、資材・工事を軸とする同社を金融業の指標で評価しない。公共・民間の投資が堅調でも、人手不足や工期遅延で売上と利益の発生時期がずれる可能性がある。

株価への示唆

次回は販売案件と工事進捗、海外持分法利益、仕入債務減少後の営業CFを確認する。営業利益の通期進捗58.1%に対し純利益は46.9%と差がある。買収した事業の利益寄与と統合費用を分け、増配を支える継続的な現金収支が回復するかを見たい。

今期の総括

工事採算の改善は確認できたが、海外損益と資金収支が連結評価の重荷となる。還元方針の変化と、工期・借入・営業CFの改善をそれぞれ追う必要がある。

来期見通し

通期売上275億円、営業利益16億円、純利益14億円の計画は据え置き。累進配当導入に伴い、期末予想30円へ修正し中間27円と合わせ年間57円を見込む。4月1日の1対3分割を考慮すると前年160円は約53.33円相当であり、160円と57円を直接比較しない。翌期予想は今回ない。

総合判断

中立。次回は販売案件と工事進捗、海外持分法利益、仕入債務減少後の営業CFを確認する。還元方針の変化と、工期・借入・営業CFの改善をそれぞれ追う必要がある。

出典