決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2995.22億円 | 2726.56億円 | +9.9% | 3200億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 744.35億円 | 365.50億円 | +103.6% | 810億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 751.63億円 | 355.81億円 | +111.2% | 765億円 | 該当なし |
| 純利益 | 548.06億円 | 322.61億円 | +69.9% | 550億円 | 該当なし |
| EPS | 410.8円 | 242.17円 | +69.6% | 411.74円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。前年比などが非開示の場合は、決算短信側で前年実績または増減率が示されていないことを意味します。
セグメント
決算短信が開示する事業別売上高(セグメント間取引を含む)は次のとおりです。
| セグメント | 当期(百万円) | 前年同期(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| デジタルエンタテインメント事業 | 215,010 | 204,185 | +5.3% |
| アミューズメント事業 | 19,510 | 17,636 | +10.6% |
| ゲーミング&システム事業 | 25,630 | 16,643 | +54.0% |
| スポーツ事業 | 41,957 | 36,409 | +15.2% |
デジタルエンタテインメント事業は215,010百万円(前年同期比5.3%増)。非デジタル分野ではゲーミング&システム事業が前年同期から8,987百万円増となっており、連結の増減を読む際は主力ゲームの伸びと他事業の回復・悪化を分けて確認する必要があります。
財務安全性
財務安全性では、総資産5286.13億円、純資産3480.76億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率65.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF965.42億円、投資CF-229.93億円、財務CF-279.13億円、現金及び現金同等物の期末残高2507.11億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +69.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 16.9% | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は24.9%、総資産経常利益率は14.8%です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は744.35億円、前年比は+103.6%です。増益そのものより、営業利益率24.9%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は2995.22億円、前年比は+9.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は65.8%、純資産は3480.76億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは965.42億円です。ゲーム開発費やコンテンツ制作投資は将来の収益源になる半面、タイトル延期や販売不振があれば回収期間が延びます。利益と営業CFの方向に加え、無形資産や制作勘定の増減も確認したいところです。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高3200億円、営業利益810億円です。達成には主力ゲームの運営継続と新作投入、カード商品の販売、ゲーミング機器需要が計画どおり進むことが必要です。発売時期のずれ、ユーザー動向、開発費、為替は利益率を動かします。
市場評価の変動可能性
デジタルエンタテインメントの比重が高いため、主力タイトルの好調が株価期待に織り込まれる局面では、伸び率の鈍化だけでも評価が揺れます。非デジタル3事業が補完できるか、デジタルの利益成長が一部IPに偏っていないかが市場の見方を分けます。
業界動向との関連
ゲーム市場では運営型タイトルの継続課金と有力IPの新作投入が収益を左右します。コナミは家庭用・モバイル・カードをまたぐIP展開を持つ一方、アーケード、カジノ機器、スポーツ施設は需要構造が異なります。4事業の分散が主力ゲームの変動をどこまで吸収するかが比較軸です。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高2995.22億円(+9.9%)、営業利益744.35億円(+103.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益548.06億円(+69.9%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高3200億円、営業利益810億円、経常利益765億円、純利益550億円、EPS411.74円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高2995.22億円、営業利益744.35億円、純利益548.06億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」、コナミグループ、開示日: 2022-05-12