決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1131.08億円 | 875億円 | +29.3% | 4360億円 | 25.9% |
| 営業利益 | 108.10億円 | 56.79億円 | +90.4% | 329億円 | 32.9% |
| 経常利益 | 117.52億円 | 66.22億円 | +77.5% | 344億円 | 34.2% |
| 純利益 | 81.15億円 | 47.13億円 | +72.2% | 237億円 | 34.2% |
| EPS | 72.28円 | 41.99円 | +72.1% | 211.13円 | 34.2% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 電設資材事業 | 696.44億円 | +24.9% | 41.33億円 | +72.6% |
| 産業機器事業 | 126.21億円 | +40.1% | 7.31億円 | +113.1% |
| 自社製品事業 | 308.42億円 | +35.8% | 77.46億円 | +66.1% |
電設資材は再開発・データセンター・工場向けが伸び、産業機器は省力化投資と半導体製造装置向け需要を取り込みました。自社製品はエアコン出荷増と供給不安による在庫確保需要が追い風です。
財務安全性
財務安全性では、総資産3193.92億円、純資産2076.66億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率64.9%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +72.1% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は9.6%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
3事業すべてが二桁増収・大幅増益となり、営業利益率は前年同期の6.5%から9.6%へ上昇しました。
売上規模の確認
データセンター、半導体設備、省エネ基準改定前のエアコン需要と、複数の成長要因が重なっています。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は64.9%、純資産は2076.66億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
今回の増収には供給不安を背景とする需要前倒しが含まれます。銅価格や物流費の上昇、前倒し需要の反動が第2四半期以降に出る可能性を織り込む必要があります。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
都市再開発、データセンター、省力化・自動化、AI半導体投資は電設資材と産業機器の需要を支えます。空調では省エネ基準改定前の駆け込み需要があり、持続性の見極めが重要です。
株価への示唆
営業利益の通期進捗率は32.9%と高い一方、会社は需要前倒しを理由に予想を据え置きました。次回も受注・販売が維持されれば、通期計画への上振れ期待が強まりやすくなります。
今期の総括
全事業が伸び、売上増を大きく上回る利益成長となりました。ただし、供給不安による前倒し需要も押し上げ要因であり、基礎的な成長と一時的な需要を分けて評価する必要があります。
来期見通し
通期予想は据え置きで、売上高4,360億円、営業利益329億円、純利益237億円を見込みます。年間配当予想は85円です。
総合判断
総合判断はややポジティブです。全事業の増収増益と高い進捗は評価できます。需要前倒しの反動を考慮し、次の四半期で販売水準が維持されるかを確認します。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、因幡電産、開示日: 2026-07-31