4,000万円を作る前提を確かめる
仮に税や保険料を考慮した手取り収入が月22万円、支出が月32万円なら、不足は10万円です。30年間同じなら3,600万円。月額に含めない臨時費用を400万円と仮定すると、必要な取り崩し総額は4,000万円になります。
22万円は標準的な年金額、32万円は推奨する生活費という意味ではありません。自分の収支と入れ替えるための架空の数字です。収入の条件が違えば、同じ支出でも不足額は変わります。
同じ家計の不足額と期間を変える
不足が月12万円なら30年間で4,320万円、同じ臨時費用400万円を加えれば4,720万円です。月2万円の差が、総額では720万円になります。「4,000万円あれば安心」と一つの数字へ固定すると、月の変化を見落とします。
期間が延びる場合も同様です。月10万円の不足が35年間なら4,200万円で、臨時支出の前から4,000万円を超えます。反対に、年金や就労収入で不足が小さければ必要額は減ります。職業や住宅の種類だけでは、具体的な総額は決まりません。
同じ家計の支出へ、物価変動を加える
同じ家計例で、月の支出32万円が毎年2%ずつ増えると置けば、20年後の同じ消費は約47.6万円です。32万円×1.02の20乗という計算で、2%は将来の物価予測ではありません。
年金やほかの収入が同じ率で増えるとは限りません。そのため現在の不足10万円だけへ2%を掛け続ける計算と、支出と収入を別々に見積もる計算は違います。支出が大きくなるケースを考える際は、収入側の仮定も明示する必要があります。
今ある資産と、将来の入金を重ねない
取り崩し総額から、同じ用途に使える資産を引けば追加で必要な額を考えられます。ただし、住宅の価値とすぐ使える預金は同じではありません。売却や住み替えをしないなら、自宅の評価額をそのまま毎月の支払原資に数えることはできません。
退職金も受取時期と手取り額を区別します。既に受け取って残高へ含まれている分を、将来の入金として再計上すると、必要な準備額を過小に見積もってしまいます。
必要な現金の時期まで決める
資産の合計が4,000万円でも、全額が価格の動く商品なら、支出の直前に下がる可能性があります。想定した運用益が出なければ、取り崩す量や残高も変わります。
年金開始前、開始後、大きな支出の年を分け、近く使う額と長く保有できる額を照合します。老後資金は一度の試算で確定する数字ではなく、暮らしと収入の条件が変わるたびに更新する計画です。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。