クロスで買った直後、価格が下がった時
上向きの交差を見て買ったのに、その後すぐ下がることがあります。ゴールデンクロスは、短期の移動平均が長期の平均を下から上へ越える形です。発生したことと、その後の利益は別の事実になります。
以下は実在銘柄の成績ではありません。平均に使った期間と、注文する時点を区切り、成功した場面だけを残さないための仮例です。
終値の計算と、その後の取引をつなぐ仮例
七営業日の架空の終値を、1,250、1,190、1,130、1,070、1,130、1,190、1,250円とします。各日の終値までで計算する3日・5日単純移動平均は、次の関係です。
| 時点 | 3日平均 | 5日平均 |
|---|---|---|
| 第6日 | 1,130円 | 1,142円 |
| 第7日 | 1,190円 | 1,154円 |
第7日に短期が上へ越えます。その日の確定を見た後、第8日の寄付きに一株1,250円で100株を買えたと仮定し、その日の終値1,050円ですべて売ったなら、価格差の損失は2万円です。税や費用を省き、記した価格で約定できたという設定です。終値の交差を知った後、必ずその終値で買えるという意味ではありません。
第7日の交差は、その日までの平均から正しく計算されていても、後の損失を防ぎません。3日・5日は例の期間で、実際に有利な組合せとして勧めるものでもありません。
失敗を、後から設定を替えて消さない
上昇した銘柄だけを選ぶと、クロスがすべての値上がりを捉えたように見えます。下がった銘柄を除いたり、その期間だけ平均の長さを替えたりすれば、同じルールの検証ではなくなります。
市場全体が上昇していたか、出来高や会社の開示に変化があったかも、結果を読む背景です。どの要因が利益へ寄与したかは、交差した図一枚からは分かりません。
売買の条件まで同じ基準で残す
楽天証券の解説には、横ばいの相場で平均の交差が繰り返され、価格との反応のずれが出る点が示されています。取引回数が増えれば、費用や約定価格の差も無視できません。
線が出た価格、実際に注文できた時点、約定価格を分ければ、チャートの説明と、本人が得られた結果を混ぜずに振り返れます。
出典
- SMBC日興証券『ゴールデンクロス』(交差の定義と、上昇を保証しない点)
- 日本取引所グループ『株価チャートの表示内容について』(四本値・移動平均線・足種)
- 楽天証券『第1回「移動平均線」編』(過去の平均、交差の定義、もみ合いでの反応のずれ)
出典確認日:2026年10月23日。