NISA口座で「複利の魔法」を考えるときの注意点:利益1万円が課税なら再投資7,968.5円、NISA非課税の条件なら1万円、分配後の買付けは年間枠等を使う

非課税だから自動で複利になるわけではない

複利は、得た利益を運用に残し、その利益も次の運用の土台にする方法です。NISAは対象となる利益等への国内課税を抑える制度であり、商品が利益を生む保証ではありません。現金で分配金を受け取り、そのまま使えば、その部分は以後の運用に参加しません。

仮に一回の利益1万円を全て再投資したい場合、利益に20.315%の国内税が掛かる条件なら、税引後の金額は7,968.5円です。NISAでその利益が非課税となる条件なら1万円を残せます。税と費用以外をそろえた、再投資できる金額の差を考える例です。

含み益を毎年課税する計算にしない

上の例を、どの商品も毎年全ての値上がり益へ課税される表に広げるのは不正確です。課税口座でも売っていない値上がり益には、通常その段階で売却益への課税は発生しません。分配をしないファンド内での運用と、現金分配を受けて買い直す取引では、税を考える時点が違います。

NISAと課税口座を比較するなら、同じ商品、同じ分配・売却の条件を置きます。単に「非課税だから毎年この率だけ有利」と固定せず、どこで利益を受け取る想定かを明らかにします。

再投資の買付けは枠も使う

2026年10月22日確認の制度では、受け取った分配金でNISA口座内の商品を新しく買う場合、その買付けは年間投資枠等を使います。金融機関によって再投資先の口座の扱いが異なるため、自動再投資の設定を確認します。ファンド内部で収益を運用することとは分けます。

NISA内で損失が出ても、課税口座の利益と損益通算や損失の繰越控除はできません。税制の利点を期待して投資額を増やす前に、価格下落と家計の支出時期を考えます。「複利の魔法」を信じることと、必要な日に資金を確保する計画は別に置きます。

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