NISA口座で「複利の力」を考えるときの注意点:非課税=利益への税を軽くする、複利=利益を次の運用へ残す、分配後の再投資は枠を確認

複利とNISAを混同しない

複利は、投資で得た利益を運用に残し、その利益にも次の利益が生まれる仕組みです。利益を再投資できれば時間とともに効果が積み重なる可能性がありますが、株式や投資信託は一定の利率で増える預金ではありません。価格が下がる年もあり、複利の計算例どおりに資産が増える保証はありません。

NISAは対象となる投資商品の利益に税制上の優遇を設ける制度です。口座を使うことで投資の損失や値動きがなくなるわけではなく、手数料や投資先のリスクも残ります。利益を非課税で再投資できる可能性と、投資そのものの収益性は分けて考えましょう。

長期運用を考えるときは、投資期間、資金を使う予定、値下がりした場合の対応を整理します。生活資金を確保したうえで、分散された商品や個別資産の内容を理解し、負担なく続けられる金額にします。

非課税と再投資は別の仕組み

NISAは対象となる運用益などへの国内課税を軽くする制度で、複利は利益を運用に残す方法です。NISAに入れただけで自動的に利益が生まれるわけではなく、損失が出る商品なら残高は減ります。利益を現金で受け取って使えば、そのお金は口座に残っていても次の運用に参加しません。

仮に元本100万円に年3%の利益が出て、全額を運用に残せるなら、次の計算の土台は103万円です。利益に課税される条件で税を差し引いた現金を再投資する場合とは、翌年に運用できる額が違います。ただし実際の課税時期は分配金や売却の有無で異なるので、毎年すべての値上がり益に課税される前提で比較しないようにします。

分配金の再投資には枠の確認も要る

2026年10月22日確認の制度では、分配金を受け取ってNISA口座で新たに買う取引は、年間投資枠等を使います。ファンド内で収益を再運用する場合と、現金の分配を受けて買い付ける場合を分けて確認します。再投資先や口座区分は、商品と金融機関の取扱いにもよります。

売却した取得価額分の非課税保有限度額を使い直せるのは翌年以降です。含み益を確定して買い直すだけで複利が強くなるとは限りません。売買の間に価格が動いたり、年間枠に収まらなかったりします。

損失を長期の言い訳にしない

NISAの損失は課税口座の利益と損益通算できません。税制の利点を得たいからと、使う予定のある資金まで長く拘束せず、保有する商品が目的に合うかを先に点検します。

出典