引っ越し資金10万円を投資する場合
半年後の引っ越し用に確保した10万円を、NISAの投資信託へ回す仮例です。半年後に15%下がれば残高は8万5,000円で、支払予定が10万円のままなら1万5,000円不足します。非課税制度を使っても、必要な日に必要な額を確保できるとは限りません。
この場合に手放すのは、現金で引っ越し代を確保しておく使い道です。投資信託で得られたかもしれない最大利益と、支払いの確実性を同じ確度で並べることはできません。投資を見送る価値には、追加借入や急な売却を避ける余地も含まれます。
年間枠が残ることと、資金を失うことは別
NISAの未使用の年間投資枠は翌年へ繰り越せません。しかし「残した枠の金額だけ損をする」という意味ではありません。投資しなかったお金は手元にあり、翌年も収入や支出に応じた選択ができます。
例えば今年の余裕資金が30万円なら、年間枠の上限まで投資額を増やす必要はありません。来年に使う新たな資金ができれば、その年の年間枠と非課税保有限度額の範囲で検討します。枠は上限であり、使い切る義務ではありません。
売却すれば同年の枠が戻るわけでもない
買付後すぐに売って別の商品へ移す場合も、売却分の年間投資枠は同年中に復活しません。非課税保有限度額の再利用は取得価額を基準に翌年以降です。頻繁な入れ替えは、使える枠と必要な現金を別々に管理する必要があります。
比較には、投資、預金、予定支出など実行可能な案を置きます。資金の用途と期限を先に決め、その選択へNISAを当てはめる順序なら、枠への焦りだけで生活資金を動かしにくくなります。