資産を作る時期と使う時期を分ける
雪だるま効果は利益を再投資して運用の土台を増やす比喩ですが、長期の家計には途中で使う資金もあります。増やす段階の方針を、取り崩す段階へそのまま延ばすことはできません。再投資か現金受取かは、運用の優劣だけでなく、その時の目的によって変わります。
仮に100万円を一定の年5%で運用し、税と費用を省くとします。利益を全て残せば一年後105万円、二年後110万2,500円です。各年末に生活費10万円を引き出すなら、一年後は95万円、二年後は95万円×1.05−10万円=89万7,500円になります。5%の利益が出ても、引出しの方が多ければ残高は減ります。
生活費に使うお金を先に確保する
教育費や修繕費、退職後の毎年の不足額など、使う時期が分かる支出を並べます。将来の利回りで全て賄う前提にすると、下落した年に多くの資産を売る必要が生じます。必要な現金を別に確保する方法もありますが、適切な額は家計の収入と支出の安定性で異なります。
分配金を受け取る場合も、それが元本の一部払戻しを含むかを明細で確かめます。受取現金があるだけで資産が育っているとは限りません。残高と受取額の合計で、元本がどう変わったかを記録します。
積立の持続可能性も更新する
当初は無理のなかった金額でも、転職や家族の支出で条件は変わります。相場が下がった日だけで決めず、家計の変化を基に積立額を見直します。続けるために生活の予備費を使い切ると、かえって下落時の換金を避けにくくなります。
投資先の費用や運用方針、個別企業の事業も長い期間には変わり得ます。長く持った事実だけを保有理由にせず、今後も目的に合うかを確認します。一定利回りの試算に加え、資金を使い始めた年に下落する経路も置くと、長期の平均だけでは見えない負担を考えられます。