金利が上がったのに、持っている国債の価格が下がる時
新しく買う人には高い利回りが魅力でも、以前の条件で発行された債券の価格は下がる場合があります。国債は国が発行する債券で、発行時の条件と、今市場でいくら払って買うかは別です。まず、額面、受取る利子、満期、購入価格を分けて読みます。
固定した利率の既発債では、市場で求められる利回りが上がる時、同じ受取りへ払う価格が下がるという関係があります。
一年後の受取りを固定する、一つの仮例
架空の債券が、今からちょうど一年後に元本と最後の利子を合わせて101万円だけ支払うとします。今の購入者が年1%の収益を求めるなら、価格は101万円÷1.01で100万円です。
同じ受取りへ年3%を求める条件なら、価格は101万円÷1.03で約98万600円になります。将来の受取額が同じでも、今求める利回りが違えば払う価格が変わる例です。
税、費用、経過利子、途中の利払い等を省き、信用条件も変わらず予定通りに払われると仮定しています。実在の国債の利払い日程や取引価格、現在の金利予測ではありません。また、個人向け国債の中途換金額を計算した模型でもありません。
個人向け国債には別の条件がある
2026年10月23日に確認した財務省の説明では、日本の個人向け国債には、半年ごとに適用利率が変わる変動10年と、発行時の利率が続く固定5年、固定3年があります。利子の受取りは半年ごとで、具体的な募集利率は銘柄ごとに確認する条件です。
中途換金は原則として発行から一年経過後に可能で、直前二回分の税引前利子相当額に0.79685を掛けた調整額が差し引かれます。死亡や一定の大規模災害の特例もあります。通常の市場売却へ、同じ計算を当てはめる制度ではありません。
使う日から、読むべき条件が変わる
近い日に使う現金なら、いつでも全額を同じ条件で戻せるかが関わります。満期まで持てるつもりでも、予定外の支出があれば中途の条件が問題になります。高い利率だけで決めると、その時点が抜けます。
固定した金額を受け取れても、物価が上がれば購買力は変わります。外国の国債なら、発行国の信用や通貨の変動も別に読みます。
国債という名前を安全性の一語へ縮めず、満期の受取りと、途中で現金へ替える方法を分けられます。何を保有し、いつ使うかをそろえることが、初めて条件を読む入口になります。
出典
- 米国SEC Investor.gov『Bonds - FAQs』(金利・価格・満期などのリスク)
- 財務省『個人向け国債 商品概要』(金利タイプ、満期、中途換金の条件)
- 財務省『個人向け国債の商品性についてのよくある質問』(市場売却とは異なる中途換金制度)
出典確認日:2026年10月23日。