「押し目待ちに押し目なし」と焦りの心理
「押し目待ちに押し目なし」は、上昇相場で安く買おうと下落を待っているうちに、株価がほとんど下がらず上がり続けることがある、という相場の格言です。相場の未来を言い当てる法則ではありません。
この格言が焦りを招くのは、「今買わないと取り残される」と感じたときです。上昇を見てから急いで買えば、買い遅れへの不安を一時的に抑えられます。しかし、価格が自分の想定より高いまま上がり続けるとは限らず、購入直後に下落することもあります。格言を高値追いの理由に使わないようにしましょう。
待つことにも、買うことにもリスクがある
押し目を待つ間に株価がさらに上がると、予定していた価格で買えない機会損失が生じることがあります。一方で、下落を待たずに一度に買えば、その後の値下がりをまともに受ける可能性があります。「待つか、今すぐ買うか」だけでなく、買わない選択肢や投資額を小さくする方法もあります。
たとえば、長期で積み立てる計画なら、日々の下げを正確に当てようとせず、決めた金額と頻度を守る方法があります。ただし、積立は利益を保証せず、投資対象や期間によっては損失も出ます。個別株を買う場合には、会社の状況、価格、資産全体に占める割合を確認し、投資額を決めてから注文します。
焦りをルールに置き換える
- 買う理由を書く。 格言や株価の勢いだけでなく、投資対象を選んだ根拠を説明できるか確認します。
- 必要な資金を分ける。 近いうちに使う生活資金や予備費は、値動きのある投資に回しません。
- 買う場合の金額を先に決める。 一度に買うか、複数回に分けるかを、自分の計画と費用に照らして選びます。
- 買わない条件も決める。 価格が想定を超えたときや、企業の前提が変わったときに、見送る基準を用意します。
- 後悔だけで判断を変えない。 買わずに上がった場合も、買って下がった場合も、当時のルールと根拠に照らして振り返ります。
押し目が来ない相場を逃したくない気持ちは、多くの投資家が感じるものです。ただし、「機会を逃す不安」は投資理由になりません。自分が納得できる価格や投資額を決め、条件が合わなければ見送る余地を残すことが、焦りによる売買を防ぐ助けになります。