記事の図解

ダックカーブとは

ダックカーブは、電力需要から太陽光や風力などの変動型再生可能エネルギーの発電量を差し引いた「純需要(ネットロード)」の一日の推移を表す曲線です。太陽光発電が多い地域では、日中に純需要が下がり、夕方に太陽光発電が減ると純需要が急に上がる形が、アヒルの輪郭に似て見えることから名づけられました。カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)が電力系統の変化を説明する際に使っています。

この形が示す課題は、電力を一日にわたって需要と供給に合わせることです。日中の電力が余る時間帯と、夕方に火力や蓄電池などの出力を速く増やす必要がある時間帯が生じる場合があります。地域、季節、発電構成、電力需要によって曲線は異なり、どの電力網にも同じ形で現れるわけではありません。

投資テーマとして見るときの誤り

  • 曲線があるから蓄電池企業が儲かると思う。 電力市場の制度、設備費、接続許可、競争、稼働率を確認する必要があります。
  • 再生可能エネルギーが増えれば課題が同じ比率で大きくなると思う。 需要の変化、送電網、貯蔵、発電構成なども影響します。
  • カリフォルニアの状況を日本にそのまま当てはめる。 系統運用、地域間連系、電力需要、制度の違いがあります。
  • 社会的な必要性と投資収益を同じものと見る。 電力網に必要な設備でも、企業の利益や株主リターンは事業条件で変わります。

関連企業を見るときの確認点

蓄電池、送電設備、需要調整、発電事業など、ダックカーブに関わる分野は幅広くあります。会社が提供する製品やサービスが課題のどの部分に関係するのか、売上の規模、利益率、設備投資、受注の継続性を決算資料で確認します。政策や電力料金制度の変更で収益が左右されるかも見ておきます。

ダックカーブは、電力系統で日中と夕方の需給差が大きくなる問題を理解する助けになります。ただし、特定の企業の株価や収益を予測する指標ではありません。図が示す電力課題と投資先の事業性を分けて判断しましょう。

参考資料