ダックカーブを投資判断でどう見るか

「大きい蓄電池」の、どの数字を比べるか

昼に太陽光が多く、夕方に残余需要が急に増えるダックカーブは、蓄電池の用途を考える材料になります。ただし、出力が大きい設備ほど長く電力を出せるとは限りません。電力の大きさを表すMWと、その電力を一定時間供給した量を表すMWhを区別する必要があります。

単純に一定の出力が続く場合、電力量は出力に時間を掛けて求めます。この関係を押さえると、夕方の短い急変へ対応する設備と、数時間を通じて供給する設備の違いが見えます。製品の数字の大小だけで用途を決めることはできません。

出力と持続時間を比べる独自の二設備

架空の設備Aは最大出力20MW、取り出して使える電力量20MWh、設備Bは最大出力10MW、使える電力量40MWhとします。どちらも満充電で、必要な出力を一定に保てるという説明用の仮定です。容量は既に取り出せる側の電力量とし、ここでさらに放電損失を重ねて引きません。

最大出力で出し続けるなら、Aは20MWh÷20MW=1時間、Bは40MWh÷10MW=4時間です。夕方に10MWを3時間供給する用途では、必要量は30MWhになります。Aは10MWへ抑えても2時間分なので足りず、Bはこの単純な条件では対応できます。Aが常に劣るのではなく、より大きな瞬間出力が必要な用途では比較する条件が変わります。

蓄電池と、ほかの対応策の役割も違う

昼の電力を夕方へ移す蓄電池に対し、需要側が使う時間を昼へ移す方法は、夕方に供給すべき量自体を減らします。地域間の融通も、別地域に電力の余地と送る経路があることが条件です。一つの設備でどの地域の問題も解決できるわけではありません。

比較には、必要な時刻、継続時間、設置場所、接続の制約が関わります。複数日にわたる悪天候への備えまで、数時間の蓄電池の数字から判断することもできません。米国の系統運用者の説明は仕組みを読む根拠になりますが、日本の個別設備の接続条件や収入を証明する資料ではありません。

投資家の比較では、誰がどの費用を負うかも読む

設備メーカーなら受注後の納入、材料費、保証対応が利益に関わります。設備を所有する事業者なら、導入費に加え、充電する電力の購入費、運転・保守、電池の劣化などが問題になります。役割が違う会社の売上成長だけを並べても、同じ事業条件を比較したことにはなりません。

例のBが用途に合うと分かっても、投資額を回収できるかはまだ計算していません。契約や稼働の見込みが示されているか、利益の予想に何が含まれるかを読む段階が残ります。社会的な必要性、設備の適合性、企業の採算という順に問いを進めることで、テーマだけを理由にした順位付けを避けられます。

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