NISAで「落ちるナイフは掴むな」を考える
「落ちるナイフは掴むな」は、下落が続いている資産を、安く見えるというだけで急いで買わないよう促す相場格言です。株価が下がっている最中に底を見極めるのは難しく、買った後も値下がりが続くことがあります。一方、反発を待てば常に安全という意味でもありません。待っている間に価格が戻る場合もあります。
NISA口座で投資しても、価格下落や元本割れのリスクはなくなりません。非課税制度は投資商品の損失を補填するものではなく、NISA口座で生じた損失は課税口座の利益と損益通算できず、損失の繰越控除もできません。そのため、税制優遇があることを理由に、急落した銘柄を買い増すのは危険です。
下落中に確認すること
- 価格下落の理由を、企業固有の悪材料と市場全体の動きに分ける。
- 決算資料や適時開示を確認し、事業や財務の見通しが変わっていないか調べる。
- 価格が下がったことだけを「割安」とみなさず、企業価値や資産配分を考える。
- 購入後さらに下落した場合の損失額を計算し、無理のない投資額にする。
- 見送る、一部だけ買う、時間を分けるなど、複数の選択肢を比較する。
NISAでは売却益が非課税になる一方、損失が出た場合の税務上の扱いにも注意が必要です。商品を売却した場合の枠の扱いなど、制度の詳細は金融庁の最新情報で確認してください。非課税枠を使い切ることを目標にせず、生活資金と投資資金を分けましょう。
「落ちるナイフは掴むな」は、値下がり銘柄を一律に避ける規則ではありません。価格だけで買いを急がず、下落の背景、投資理由、許容できる損失を確かめるための注意喚起として使いましょう。