複利と他の運用の違い
複利は、運用で得た利益を元本に加え、その後の運用対象にする仕組みです。元本だけに対して利益が計算される単利と比べると、一定の利回りで運用できた場合は、時間が長いほど利益にも利益が付く効果が現れます。
たとえば、100万円を年率5%で10年間運用し、毎年の利益を再投資できたと仮定すると、税や手数料を無視した理論値は約163万円です。単利なら150万円です。この比較は、毎年同じ利回りが続くと置いた計算例で、実際の投資成果を示すものではありません。価格が下落する年や、手数料・税金が生じる場合、結果は異なります。
複利と積立投資は別の考え方
複利は利益を再投資する仕組み、積立投資は購入時期を分ける方法です。積立をしても運用益が出るとは限らず、複利の効果が得られるかは運用成果や再投資の条件によります。また、利回りが高いほど安全、期間が長いほど必ず利益が増えるということでもありません。
比較するときは、税引前か税引後か、運用コストを含むか、入金の時期、価格変動をどう扱ったかをそろえます。特に広告の試算では、前提となる利回りが保証されているかのように受け取らないよう注意します。
複利は長期運用の結果を説明する概念であり、利益を保証するものではありません。投資対象のリスク、コスト、資金が必要になる時期を確認したうえで考えましょう。
単利と複利を同じ条件で比べる
仮に元本80万円を年4%、10年間運用するとします。単利なら毎年の利息は80万円×4%=3万2,000円で、元本と累計利息の合計は112万円です。複利なら80万円×1.04の10乗で約118万4,195円となり、差は約6万4,195円です。どちらも税・費用・途中の入出金を除いた計算です。
この差は複利商品の成績が良いという意味ではなく、同じ利益を受け取って使うか、運用に残すかを比較したものです。異なる投資対象の利回りを使って「複利の方が何倍も有利」と並べると、商品のリスクの差まで混ざります。
積立方式との比較では元本をそろえる
最初に100万円を入れる場合と、毎月1万円ずつ投資する場合は、資金が運用される期間も投入元本も違います。将来の残高だけを比べると、入金が多い方を運用が上手いと誤認します。まず入金の合計、入金時期、引出しの有無を示し、その上で損益を比較します。
リスクも同じ尺度で見る
確定利息の預金と値動きのある株式を、仮の年率だけで比較しないことです。使う予定の日に値下がりする可能性、途中換金の条件、元本保証の有無が異なります。複利は利益の扱い方であり、価格変動の幅を表す言葉ではありません。読んだ試算が「毎年一定」という前提を置いているかを確認するだけでも、期待の持ちすぎを抑えられます。