一株の値段では割安さは決まらない
株価1,200円、1株当たり純資産2,000円ならPBRは0.6倍です。株価を1株当たり純資産で割った数字で、企業の会計上の純資産に対してどの価格が付いているかを表します。
研究で使われる簿価時価比率は、同じ範囲の数字を用いるならPBRと逆向きです。PBRが低いほど、簿価を時価で割る比率は高くなります。株価に対する簿価が低い株、という説明では方向が逆になるため注意が要ります。
指標が低い理由を読む
PBR0.6倍でも、その資産が将来利益を生むか、帳簿の価額で回収できるかは別です。低い収益性や将来の損失が織り込まれている場合、帳簿との単純な差が利益になるとは限りません。
利益を基準にするPERも、予想利益か実績利益かで意味が変わります。一時的な資産売却益が含まれていれば通常の稼ぐ力とは異なるため、低い数字の裏付けを調べます。
銘柄群の研究と一社の判断を分ける
FamaとFrenchの1992年研究は、米国の過去データにおける企業規模や簿価時価比率と平均収益の関係を分析しています。研究対象の期間や市場、銘柄群の組み方に依存する結果で、一社の株価回復を保証するものではありません。
候補を絞った後は、利益の継続性、負債、資産の質、事業の見通しを調べます。指標が低いという観察と、今の価格が自分の見積もる価値より低いという判断は、別の段階です。
出典
- Fama and French(1992)『The Cross-Section of Expected Stock Returns』(出版社公開本文・過去の米国株の分析)
- 米国SEC Investor.gov「Price-earnings (P/E) Ratio」
出典確認日:2026年10月22日。