分けて買った後、見直さずに数年が過ぎた
購入時は一部だけだった株式が値上がりし、資産の大半を占める場合があります。「卵は一つの籠に盛るな」は、特定の投資先へ集中するリスクを分ける格言です。長期投資では、最初に分けたかだけでなく、今どこへ偏っているかも問いになります。
長く保有することは、すべての企業の存続や、購入価格への回復を保証しません。時間と保有内容は別の条件です。
同じ保有の上昇と下落をつなぐ独自例
架空の金融資産500万円を、株式200万円と現金300万円に分けたとします。追加の入出金や費用、税、配当、現金の利息はなく、株式部分が二倍になると、株式400万円と現金300万円で計700万円です。
株式比率は当初40%から約57.1%へ上がっています。その時点から株式部分だけが35%下がると、140万円減り、株式260万円と現金300万円の計560万円です。下落直前の700万円に対する全体の減少率は20%になります。
同じ一つの価格経路を、残高の時点をそろえて読んだ独自例です。上昇や下落が起きる時期と確率、適切な比率は置いていません。現金の額面が変わらない設定も、購買力まで一定という意味ではありません。
中身の変化を、保有比率と一緒に読む
株式部分が多くの銘柄を含むファンドでも、特定企業や地域の比率が上がる場合があります。商品名が同じでも、運用方針の変更や指数の構成変化によって、最初に想像した中身と異なる可能性があります。
複数ファンドの月次報告を読むなら、基準日、地域、業種、主要な組入銘柄などをそろえます。少し名前が違う商品を足しても、同じ企業を重ねて持てば、その会社への依存は減らないことがあります。
比率を戻す前にも、目的と条件がある
当初の割合へ近付ける調整は、リバランスと呼ばれます。売買で動かす方法のほか、新しい入金の配分を変える方法もあります。実際の売却には費用や課税、注文単位の制約があり、どの方法でもその後の最高収益は保証されません。
近い将来に使う予定が加わったなら、元の比率へ戻すだけで目的に合うとは限りません。生活や収入の条件が変われば、使える期間や負える下落も変わります。
金融庁の基本説明でいう分散は、異なる資産の組合せを考える方法です。一度決めた配分を永久に正しいとするものではありません。長期投資に格言を使うなら、今の残高と中身、資金を使う予定を同じ時点で読める形にできます。
出典
- 金融庁『資産形成の基本』(家計、資金の目的、分散投資の考え方)
- 米国SEC Investor.gov『Asset Allocation and Diversification』(資産配分、保有の重なり、リバランスの説明)
- 日本取引所グループ『投資のリスク(ETF)』(為替、基準価額と市場価格の違い)
出典確認日:2026年10月23日。