年金開始後の計算だけでは、途中が抜ける
早期退職後の計画で、将来の年金を見込んで不足額を計算することがあります。しかし、年金をまだ受け取らない期間も生活費は必要です。FIREを実例へ置くには、退職時から入金の切り替わりまで、残高をつなぐ必要があります。
50歳と65歳をつなぐ一つの仮例
架空の人が50歳で資産5,000万円を持って退職し、65歳まで収入なし、年間支出240万円とします。十五年間で3,600万円を使い、65歳の残高は1,400万円です。65歳以後に手取り年金を年160万円受け取る条件なら、支出との差は年80万円で、残高を単純に割ると17.5年分となります。
| 時点・期間 | 仮の資金の動き |
|---|---|
| 50歳の開始時点 | 5,000万円 |
| 50〜64歳の十五年の支出 | −3,600万円 |
| 65歳の開始時点 | 1,400万円 |
| 65歳以後の年の不足 | 80万円 |
計算は、運用収益、物価、医療や修繕等の臨時支出を無視し、支出と手取り収入を固定しています。年160万円は制度の標準額でも、本人への支給見込みでもありません。17.5年は名目固定の算数であり、82歳半まで安全に暮らせるという保証ではありません。
調整する条件を運用益だけにしない
この例を5,000万円から年80万円ずつ使う計画へ替えると、年金前の支出を落としてしまいます。途中で仕事を続ける、支出を変える、退職を遅らせるなどを比べる時も、入金と支出が変わる年から残高を計算し直します。
年金見込みは本人の加入や働き方、開始時期で違います。ねんきんネットの試算も、置いた条件が何かを読む必要があります。実際の予算では、税や保険料を引いた収入と支出を二重に数えないことも論点です。
金融庁の生活設計の考え方は、必要額と時期を組にします。FIREの成功談の最終額だけを移すより、本人の計画で収入が切り替わる時点を特定する方が、途中の不足を見つけやすくなります。
出典
出典確認日:2026年10月23日。