遠くの戦争は買いを比較する

遠い地域で起きたことなら、影響は小さいか

遠くの戦争は買い、近くの戦争は売りという格言があります。しかし、遠い地域でも、原材料の調達先や重要な輸送路が関係していれば、企業の費用や供給へ影響する場合があります。地図上の距離だけでは、会社が受ける負担は決まりません。

参照したSMBC日興証券の2023年の解説も、この格言を紹介する一方、世界の供給網を通じる影響へ触れています。その当時の相場観を、現在の事件や将来価格へ置き換えることはできません。

同じ費用上昇でも差が出る独自の仮例

架空のA社とB社で、売上をともに100とします。A社の費用はエネルギー20とその他70、B社はエネルギー5とその他85です。当初の利益はどちらも10です。

売上や他の費用は変わらず、エネルギー費だけが50%増えると置くと、A社の利益はゼロ、B社は7.5です。実在の会社や紛争の実績ではなく、費用の構成が違えば同じ変化でも影響が異なるという独自例です。価格転嫁、契約、在庫なども除いているため、これだけで実際の利益は予測できません。

企業ごとに、どこを読むか

原材料の仕入れ先、販売する地域、物流、保険、取引先の支払いなど、影響が届く経路を分けます。売上の多い地域と、重要な部品の調達先は同じとは限りません。金額が小さい部品でも、代替できなければ生産へ影響する可能性があります。

また、為替や資金調達の変化は、直接の被害がない企業へも関わる場合があります。地理的に遠いという一項目だけでは、これらの条件を読み切れません。

指数と個別企業を同じにしない

ある市場全体が回復しても、すべての企業の損失が埋まるとは限りません。反対に、市場が弱くても、各社の費用構成や契約によって影響は違います。過去の指数の動きから、今日の一社の利益を確定はできません。

注文を出す場合も、急な値動きで見ていた価格と約定価格が離れる可能性があります。下がったから買えば回復を待てるという前提は、資金の期限や企業の財務によっても変わります。

格言は過去の見方を知る入口ですが、距離だけで売買を決めるには条件が足りません。自分が保有する会社に何がどう届くかを読む方が、必要な調査を具体化できます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。