卵は一つの籠に盛るなとは?分散で減らせるリスクと残るリスク

籠を分けると、何が変わるか

卵を一つの籠にまとめると、その籠を落としたときの影響が大きくなります。投資では、一社の株式などに資金を集中させる状態に例えられます。複数の投資先へ分ければ、一社だけの不振が全体へ及ぼす影響を小さくできる場合があります。

ただし、籠の数が増えれば安全という機械的な関係ではありません。同じ景気要因や金利の影響を受ける資産は、同時に下がることがあります。

一社の下落を金額で比べる

架空の株式Aへ100万円を投じ、Aが40%下がれば評価額は60万円です。AとBへ50万円ずつ投じ、Aだけが40%下がってBが横ばいなら、評価額は30万円+50万円=80万円になります。全体の下落率は20%です。

この仮例ではBが横ばいという条件が効いています。Bも40%下がれば、合計は60万円となり、最初の集中例と同じです。また、Aだけが大きく上がる場合は、集中した方の収益が大きくなり得ます。分散は、後から最も上がった一社だけを選んだ成績と競争する仕組みではありません。

商品の中身まで合計する

個別株と投資信託を両方持っている場合、ファンドの中にも同じ企業が含まれているかもしれません。商品数を増やしても、特定の国や業種への投資割合がほとんど変わらない場合があります。

月報や組入銘柄一覧を用い、同じ日付に近い評価額で合計すると、企業・地域・業種などの偏りを把握できます。表示通貨が円でも、海外資産の為替変動を受ける商品なら、円の現金と同じ性質にはなりません。

時間の分散は別の問い

一度に買わずに時期を分ける方法は、特定の日の価格に全額の買付けが集中することを避ける考え方です。しかし、同じ企業を何回に分けて買っても、その企業自体の事業リスクは残ります。時期を分けることと、投資先を分けることは別です。

家計から見れば、近く使う資金まで値動きのある資産に入っていないかも関係します。格言を実際の保有管理へつなげるには、投資先の数に加え、何に影響される資産をどれだけ持っているかを金額で読む必要があります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。