金利が上がれば、何でも反対に下がるか
市場の関係をシーソーに例えると、片方が上がればもう片方が必ず下がるように感じます。固定利付債券の価格と市場金利の関係を説明するには役立ちますが、金利と株価、株式と債券などへ一律に広げることはできません。
ここでは、将来の支払いが同じと置いた時に、今払う価格がどう変わるかを読む比喩として扱います。相場全体を予測する独立した法則ではありません。
将来の受取額を今の価格へ直す独自の例
一年後に102万円を一度だけ確実に受け取り、その間の支払いはない架空の契約を置きます。比較する年利回りが2%なら、今の価値は102万円÷1.02=100万円です。求める年利回りが5%なら、102万円÷1.05で約97.14万円になります。
同じ受取額から高い利回りを得るには、今払う価格が低くなる関係です。これは信用リスク、税、費用を除く独自の現在価値の計算で、実在の債券やNISA対象商品の例ではありません。
利息が途中にある債券なら、それぞれの支払いも考える必要があります。残る期間や利率によって、金利が変わった時の価格の動き方も異なります。
株価は、将来の利益見通しも変わる
株式の場合は、会社が将来に生む利益が固定されていません。景気や販売が強くなり、市場金利の上昇と利益予想の上方修正が同時に起きれば、株価への力は一方向ではありません。
為替についても、円安が輸出企業へ常に有利とは限りません。現地生産、輸入原料、通貨の契約、価格の転嫁などが関わります。二つの変数の組合せを見つけても、それ以外の条件が同じかを読む必要があります。
NISAでは、商品と保有資産を混同しない
2026年10月23日時点で、国債や社債そのもの、公社債投資信託はNISAの対象ではありません。債券を含む投資信託等については、その商品の法的な区分や枠の条件によって対象性が異なります。債券が含まれるという理由だけでは判断できません。
対象の商品を使っても、金利による値動きはなくなりません。外国資産なら為替の影響もあり、保有する資産や期間を読む必要があります。
シーソーのたとえは、固定した条件の中で一つの関係を理解する道具です。何を同じに置いているかを明らかにすれば、株価や為替まで機械的に逆方向へ動くと思い込むことを避けられます。
出典
- 米SEC「Fixed Income Investments — When Interest Rates Go Up, Prices of Fixed-Rate Bonds Fall」(2013年)
- 日本証券業協会「NISAのよくある質問」(対象商品:Q4・Q5)
参考資料の確認日:2026年10月23日。