バフェットの投資哲学とは?投資心理との関係でわかる投資判断の使い方

安くなったという安心も、恐怖と同じく判断へ混ざる

持ち株が下がると、早く売って不安を減らしたい気持ちが生じる場合があります。反対に、以前より安く買えるのだから好機だと感じる場合もあります。どちらも価格の変化への反応ですが、事業価値がどう変わったかまでは示していません。

バフェットの手紙には、株式を事業の一部として扱い、将来の稼ぐ力を考える視点があります。これを取り入れるなら、値動きに反応しない強さを演じるより、何の前提を保有理由にしていたかへ戻ることになります。

値下がり後の方がPERは高い仮例

架空の企業を、株価4,200円、予想1株利益200円とします。単純な予想PERは21倍です。その後、株価が3,360円へ20%下がり、利益見通しも120円へ40%下がったなら、予想PERは28倍となります。

以前より安い株価でも、利益に対する倍率は高くなっています。独自の仮例で、PERだけで適正価格を決めたものではありません。利益の回復力、資産や負債、成長率などが変われば見方も変わります。

ここで考えるのは、値下がり率だけを「割引率」と受け取っていないかです。価格がどれだけ変わったかと、利益の前提がどう変わったかを別に並べると、安心や恐怖の理由を具体的にできます。

買値を守るための説明になっていないか

以前の購入判断に自信があると、悪い開示を一時的と決め、好材料だけを長期の根拠にしたくなる場合があります。長期投資という言葉が、元の判断を修正しないための理由へ変わっていないかが焦点です。

Berkshireの2024年の手紙でも、将来の事業性や経営者の評価で誤る場合があることが述べられています。著名な投資家が長期で持つという事実を、どの企業でも一度買えば売る必要がないという意味にはできません。

相場が怖いことと、資金が足りないことを分ける

短期のニュースが不安でも、事業の前提や資金余力が変わっていない場合はあります。一方、家計の支出が近づいているなら、企業が良くても必要な時期までに現金を確保する理由が生じます。保有を続けられるかは、胆力だけでなく資金条件にも左右されます。

事業と価格を分ける視点は、感情を完全になくす方法ではありません。何に反応したのかを言葉にし、以前の買値や著名人の名言で自分を安心させていないかを点検する材料になります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。