途中の三本の上昇と、全体の下げ三法

三本の上昇だけを数えない

下げ三法は、下降中の大陰線、その範囲内の小さな陽線三本、最後の大陰線という代表的な五本の形です。小反発の三本だけを切り取れば終値が上がっていますが、全体では下落継続を検討する文脈で使われます。

反対に、陽線が三本並んだという事実だけで、その後に大陰線が来ると予測できるわけではありません。三本の上昇を名前だけで強気・弱気へ分類することには限界があります。

中央の反発がどこにあるか

架空の一本目を始値145円、高値148円、安値118円、終値120円とします。続く三本の終値が127円、131円、135円と上がっても、その実体が一本目の価格範囲内なら、小反発の配置として検討できます。

ここまででは最後の一本がありません。五本目が133円から113円へ下がれば、最初の終値120円を下回ります。一方、同じ途中の並びから150円へ上がるなら、下げ三法という完成形ではありません。図は前者の独自例で、後者の可能性も判断時点には残ります。

実体と全値幅を区別する

参照する定義が中央の実体の包含を基準にするのか、ヒゲを含む価格範囲まで条件にするのかによって、数える候補が変わります。本稿の仮例では中央の実体も高安も最初の範囲内ですが、別のデータで同じとは限りません。

「大きい」「小さい」の基準も、直近の平均的な実体との比較など、ツールの設定によって変わる場合があります。見た目が似た形の成績を比べるには、条件をそろえる必要があります。

形の意味と取引の目的

下降継続の候補と考えても、保有株を売る判断、新たな空売り、単に買付けを見送る判断は別の行動です。取引の制度や負担する損失の仕組みも同じではありません。

チャートの形を理解する目的は、価格のどこを判断材料にしたかを説明できるようになることです。完成後の情報だけで途中の心理を断定せず、直前トレンド、足の確定時点、注文価格を分けると、名称に頼った説明から具体的な検討へ進めます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。