「売り」という解説には違う取引がある
下げ三法は、下降後の小さな反発を挟んで再下落する代表的な五本のパターンです。解説に売り候補と書かれていても、保有株を売却する行為と、保有していない株式を信用取引で売り建てる行為は別です。
NISAでは信用取引はできません。下落方向へ利益を狙う取引の説明を、そのままNISAの売買へ置き換えることはできず、対象商品と口座の制度を分ける必要があります。
保有株の損失を金額にする仮例
1,500円で100株買った後、図のような形が出たと仮定します。一本目は1,450円から1,200円へ下がり、中央の三本の陽線を挟んで、最後が1,330円から1,130円へ下がる独自例です。
仮に1,130円で全株を売れたなら、取得15万円に対し売却額11万3,000円で、損失は3万7,000円です。配当と費用は除いています。日足の終値が確定した後に、その終値で必ず売れるという意味ではありません。
NISAの損失は税務上の相殺に使えない
NISAで生じた売却損は、課税口座の上場株式等の利益と損益通算できず、繰り越して控除することもできません。非課税制度を使っていても、値下がりによる資産の減少は残ります。
また、売却すれば売った部分の取得額を基準に総枠を翌年以降再利用できますが、失った現金が戻るわけではありません。次の買付けにも資金と年間投資枠が必要です。枠が再利用できることから、次の取引で損失を取り返せるとは判断できません。
形だけで長期保有を否定しない
下げ三法という形が出ても、必ずさらに下がるとは限りません。保有を続けるかには、企業の見通し、価格に含まれる期待、使う予定のある資金、保有額の偏りも関わります。短期の日足と、数年の保有理由は同じ情報ではありません。
形を使うなら、どの足の期間で、いつ確定を知り、何を見直すきっかけにしたかを残せます。NISAという口座、下落を検討する分析、実際に行える売買を分けることで、言葉だけの「売り」による混乱を減らせます。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。