上がったから、次も上がると思っていないか
値上がりした株を見ると、他の人が利益を得るうちに自分も買いたいと感じる場合があります。このとき、企業の利益を読むより、後でさらに高く買う人がいることへ期待が移ることがあります。価格の上昇と、事業の改善を分ける必要があります。
バブル心理という言葉は、過度な期待や群集の行動などを考える際に使われます。ただし、一定の数字で相場の現在地を判定する統一指標ではありません。
利益が同じでも価格が上がる独自の仮例
架空の会社で1株利益を100円、株価を2,000円と置けば、PERは20倍です。利益が変わらないまま株価が4,000円になれば、PERは40倍です。実際の企業や推奨する倍率ではなく、同じ利益に支払う価格が増えるという設定です。
将来の成長を見込んで高い倍率を払うことはあります。ただし、その成長がまだ実現していなければ、利益が増えなかった場合や見通しが変わる場合も残ります。価格が上がった事実だけでは、将来の利益まで証明できません。
期待が価格へ、価格が期待へ及ぶ場合
1993年度の年次経済報告は、日本のバブルを振り返り、資産価格の上昇を期待する動きと需要の関係を検討しています。これは過去の経済を扱った分析で、現在のあらゆる値上がりを同じ原因と認定する資料ではありません。
人気が強いことと、企業の見通しが良いことが重なる場合もあります。問題は、どの利益をいつ得ると見込み、そのために現在いくら払うかを説明できるかです。
当たった経験だけで、投じる量を決めない
市場全体が上がると、選んだ株で利益が出た理由を自分の判断力だけへ帰したくなる場合があります。逆に、他人の利益の話だけを見れば、損失がある取引や費用が抜けます。
MoneySenseの投資教育でも、自分の見方に合う情報への偏りや過信が扱われています。偏りを知ることは、相場を必ず逆に予測する方法ではなく、どんな情報を拾っているかを振り返る材料です。
バブルという名前だけでも、結論は出ない
高い倍率を見てバブルと呼んでも、下落の時期や大きさを計算できるわけではありません。購入の判断と同じく、売却や見送りにも価格、資金、期間の条件が残ります。
利益の見積もりと、上がる価格への期待を分けると、何を根拠に投じるかが具体的になります。周囲の成功談と自分が使える資金を同じに扱わないことも、その一部です。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。