昼に電気を使っているのに、なぜ需要の線がへこむか
太陽光発電が多い地域では、晴れた昼に他の電源が受け持つ需要が小さくなり、日没に向かって増える場合があります。昼に家庭や工場が電気を使わなくなるという意味ではありません。需要から、太陽光や風力などの変動する発電を差し引いた残余需要を見ています。
この一日の形がアヒルに似ることから、ダックカーブと呼ばれます。株価のチャートを分類する言葉ではなく、電力の需給を考える概念です。
時刻ごとの残余需要を置く独自の例
単位をMWとし、簡略化のため風力などはゼロ、太陽光だけを差し引く架空の系統を考えます。
| 時刻 | 電力需要 | 太陽光の出力 | 残余需要 |
|---|---|---|---|
| 6時 | 70 | 0 | 70 |
| 12時 | 100 | 70 | 30 |
| 18時 | 110 | 0 | 110 |
| 22時 | 80 | 0 | 80 |
昼の電力需要自体は朝より大きくても、残余需要は小さくなっています。夕方は太陽光が減り、他の電源等で満たす量が増えます。原資料のグラフや実測値を使わない独自の設定で、時刻の間の動きや送電の制約は表していません。
電力の大きさと、続けられる時間
MWはその時点の電力の大きさです。一方、MWhは一定の時間に使う、または蓄えられるエネルギーの量です。蓄電池を読む時は、どれだけ強く放電できるかに加え、その出力をどれだけ続けられるかも関わります。
夕方の増加へ対応する手段は蓄電池だけではありません。出力を変えやすい電源、揚水、需要を別の時間へ動かす工夫、系統を通じた融通なども関わります。地域や季節、天気によって曲線の形は異なります。
需給の課題と、企業の利益をつなぐには
California ISOの2016年の資料は、残余需要の変化と柔軟に調整する能力を説明しています。当時の政策目標や将来想定を、そのまま現在の日本の実績として扱うことはできません。
投資先を読むなら、課題へどの商品を売り、誰から代金を受け取るかまで追う必要があります。調整が必要なことと、特定企業が利益を得ることは別です。設備の価格、接続、競争、運営費も関わるため、曲線が深くなるという話だけでは株式の価値を決められません。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。