逆ヘッドアンドショルダーを知るメリット

底値の予想に、外れたと分かる条件を置く

大きく下げた銘柄が戻り始めると、今度こそ底だと考えたくなります。逆ヘッドアンドショルダー、いわゆる逆三尊は、三つの谷の中央が最も深い配置を使い、二つの戻り高値を結ぶ線を上回るかで反転候補を整理する型です。利点は最安値を当てられることより、期待を価格の条件へ直せる点にあります。

肩を作っている途中の状態と、ネックラインを上抜けた状態を区別すれば、「まだ待つ」という判断にも理由を持てます。一方で、成立を待つ間に株価が上がり、予定した価格では買えなくなる場合があります。

株数まで含めて考える仮例

図の終値は、920、840、900、780、900、850、920です。最後に戻り高値の900を上回っています。仮に920円で100株を買い、850円を下回った状態を撤退判断の目安にしたなら、単純な価格差は7,000円となります。

これは100株単位の架空の取引で、手数料等を除いた概算です。850円で必ず売れるという意味ではありません。急落してその価格を飛び越えれば、実際の損失は大きくなります。さらに多くの株を持つほど、同じ形でも家計へ届く損失は増えます。

「逆三尊だから安全」と考える代わりに、成立を待った後の購入価格と、読みが崩れた場合の距離を比べられることが、この型を学ぶ実用面です。

押しを待つと買えない場合もある

上抜けた後、ネックライン付近までいったん戻る動きを待つ考え方もあります。購入価格を抑えやすい反面、その戻りがなく上昇すれば機会を逃します。また、線まで戻った後に下げ続ける場合もあり、押しを待ったこと自体は安全の保証になりません。

どの価格でも買う前提なら、条件を設けた意味が薄れます。買えない場合を受け入れられるかどうかも、手法の一部になります。

保有企業の問題が消えたとは限らない

逆三尊らしい反発があっても、債務の返済、赤字事業、減益の原因が解消したとはいえません。短期の買い戻しや市場全体の上昇で、形だけが整うこともあります。

値動きの条件を明確にする利点と、企業の価値を測れない限界は併存します。チャートで判断する範囲を価格の変化にとどめ、投資額や事業見通しの検討まで型に代わって決めさせないことで、使い方が具体的になります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。