三つの山の高さだけでは完成しない
保有株が大きく上がった後、以前ほど高値に戻れなくなった。こんな場面を整理するチャートの型が、ヘッドアンドショルダーです。日本では三尊とも呼び、両端の山を肩、中央の高い山を頭に見立てます。左肩から頭へは高値を更新しますが、右肩では頭を超えられず、その後の弱さに注目します。
ただし、小さな山を都合よく三つ選べば、似た形はいくらでも見つかります。それまでの上昇がどこから始まったか、同じ時間足で見ているか、二つの谷がどこかをそろえてから型を判断します。
ネックラインを割る仮の値動き
説明用の終値が84、108、96、120、96、109、94と動いたとします。108と109が肩、120が頭です。二つの谷が96でそろうため、この仮例のネックラインは水平の96となります。最後に94まで下がったことで、谷の水準を下回った状態を示します。
二度目の谷の後で109まで戻った段階では、まだ下抜けていません。その時点で「三尊が完成した」と書くと、観察できた事実より先を言い切ってしまいます。実際には二つの谷が異なる価格となり、ネックラインが傾く場合もあります。
日中の下抜けと終値の下抜けを区別する
日足で判断するなら、場中に一度割ったことと、その日の終値が割れたことは別です。どちらで判断するかを後から変えると、成功した形だけを集めやすくなります。出来高も補助材料になりますが、多ければ必ず下落が続くわけではありません。
下抜け後にすぐネックラインを回復した場合は、想定した弱さが続いていない可能性があります。最初の読みを守るために線を引き直すのではなく、何をもって不成立とするかが必要です。
値幅の目安は確定した到達点ではない
一般的な説明には、頭からネックラインまでの高さを下方向へ当てはめる方法があります。しかし、その幅に売り注文が自動的に集まる仕組みではなく、到達期限も保証されません。相場全体の反発や決算の好材料で、途中から別の動きになることがあります。
この型は過去の価格を整理する呼び方です。利益率や資金繰りなど企業の状態を説明する指標ではなく、業績悪化の原因を証明するものでもありません。売買に使う場合は、形を見つけた判断と、保有量をどうするかという判断が別に残ります。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。