世界恐慌とNISAを考える

大きな危機が来ても、非課税なら持ち続けられるか

NISAで長期保有する方針でも、家計の支出は相場の都合で延びません。非課税で利益を受け取れることと、必要な日に資金が確保できることは別です。大きな下落を考えるときには、投資の部分と家計全体を分ける必要があります。

世界恐慌は、1929年から始まった深い経済の収縮と金融危機の歴史です。株価の急落に加えて銀行などの問題も関わりました。当時の米国に現在の日本のNISAがあったわけではなく、この記事は2026年10月時点の成人の制度へ戻って考えます。

投資と現金を合わせた独自の仮例

家計の資金600万円を、NISA内の価格変動のある資産300万円と、現金300万円へ置く例を考えます。投資部分だけが40%下がると180万円になり、合計は480万円です。家計全体では120万円、20%の減少となります。

税、費用、配当、利息、入出金を除いた独自の設定で、世界恐慌の実績や推奨する配分ではありません。現金があることで合計の下落率は投資部分より小さくなりますが、損失自体が消えるわけではありません。

また、600万円に含まれない借入や、今後の収入があれば、家計の条件は変わります。表面上の資産残高だけでは、どのくらい待てるかは決まりません。

現金がある目的を、下落の予測と混ぜない

近い支払いのために現金を持つことは、株価が下がると予測することとは違います。必要な支出の金額と時期に合わせる目的なら、株価が上がっていても意味があります。

反対に、投資先を長く持つ資金があっても、その会社や商品の条件が妥当だと決まるわけではありません。事業や保有資産、買値への評価は別に残ります。

NISAの損失は、税で補われない

NISA内の売却損は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。将来の利益が非課税になる制度と、今ある損失の補償は異なります。

売却した商品の取得額に対応する非課税保有限度額を翌年以降に再利用できても、減った現金が戻るわけではありません。年間投資枠がその場で復活する仕組みでもありません。

世界恐慌を現在の相場予測へ直結させるより、投資額、必要な現金、資金の期限を読む問いにできます。口座の利点だけで家計全体の計画まで判断しないことが、過去を学んだ後にも残る仕事です。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。