下がったときも積み立てれば、損失はなくなるか
投資信託を毎月同じ金額で買う場合、価格が安くなると多くの口数を買えます。しかし、その後も下がれば、積み立てた全体に損失が出る場合があります。平均買付価格が下がることと、損失がなくなることは違います。
2020年のコロナショック当時のNISAと、2024年以降の制度は異なります。この記事は危機の歴史を入口に、2026年10月時点の成人のNISAと積立を考えるもので、当時の制度や成績を再現するものではありません。
下がり続ける三か月の独自の仮例
架空の投資信託へ月末に3万円ずつ投じ、1万口あたりの価格が1万円、8,000円、6,000円と変わったとします。端数の制約、費用、分配金、税などを除いた設定です。
| 購入時の1万口の価格 | 購入額 | 買える口数 |
|---|---|---|
| 1万円 | 3万円 | 3万口 |
| 8,000円 | 3万円 | 3万7,500口 |
| 6,000円 | 3万円 | 5万口 |
合計11万7,500口に9万円を投じています。最後の6,000円で評価すると7万500円で、損失は1万9,500円です。平均買付価格は1万口あたり約7,660円へ下がっても、現在の価格はそれより低いままです。実際の商品や2020年の値動きではありません。
NISAでも、評価の計算は変わらない
非課税の口座で買っても、保有する口数と価格から評価する関係は同じです。対象となる利益の税の扱いと、将来利益が得られるかを分ける必要があります。
NISA内で売却した損失は、課税口座の利益と損益通算したり、繰り越して控除したりできません。非課税だから、損失を税で補えるとは考えられません。商品がどの投資枠の対象かも、別の条件です。
積立の継続と、生活費を守ること
毎月の買付を続けるには、その資金が家計から出せる必要があります。相場が下がる時期と、仕事や収入が不安定な時期が重なる可能性もあります。過去の反発を見て、次も同じ時期まで待てると決めることはできません。
積立は、買う時点を分ける方法です。利益の保証や、近い支出のための現金の代わりにはなりません。どんな目的の資金を、どの期間の価格変動へ置いているかを読むことが、続けるか見直すかを考える前提になります。
出典
- 日本銀行「米国国債市場の不安定化とわが国国債市場への影響」(2020年8月、要旨)
- 金融庁「NISAを知る」
- 国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」
- 金融庁「資産形成の基本」
参考資料の確認日:2026年10月23日。