NISA口座で「損切りできない心理」を考えるときの注意点:新NISAの含み損の仮例、取得60万円→時価42万円:18万円減、売却後に手元へ残る額、費用を除き現金42万円、再利用できる総枠の基準、翌年以降60万円。現金が60万円に戻る意味ではない

税で取り戻せない損失と、今後の判断

NISAで含み損が出ると、「売れば非課税の利点を使えず終わる」と感じる場合があります。しかし、投資理由が崩れたのに制度のためだけに持つと、さらに下がるリスクは残ります。逆に、損失を見た怖さだけで売る前にも、現在の事業や商品の条件を確認します。

NISA口座の損失は、課税口座の利益と損益通算できず、繰越控除もできません。これは税務上の条件です。商品の将来性や自分の資金需要を決めるものではありません。

枠と現金を別々に数える仮例

仮に新NISAで60万円で買った商品が42万円になったとします。損失は18万円、30%です。42万円で売ると手元に残る現金は、費用を除いて42万円。翌年以降、非課税保有限度額で再利用できる基準は取得額の60万円です。

売却で60万円のお金が戻るわけではありません。60万円を再び投資するなら別に18万円が必要です。さらに、その年の年間投資枠は売却しても回復せず、再購入には年間枠と総枠の両方の条件を満たす必要があります。

売る・待つを同じ現在値で比べる

現在の42万円をこの商品に置く理由、必要な支出の時期、ほかの保有との重複を確認します。未保有なら選ぶかという問いも使えますが、売買費用や保有量の違いがあるため、この問いだけで売却が決まるわけではありません。

一部売却や積立先の見直しも含め、必要な金額とリスクを比べます。損失を埋めるために別の人気商品へ急いで乗り換えると、最初の保有理由を確認しないまま判断が続く場合があります。

制度の取扱いは2026年10月22日に金融庁・国税庁・日本証券業協会の資料で確認しました。買値の回復を目的にする前に、今残る資産を何のために持つかを記録します。

出典