同じ年齢の人の貯蓄額を見て、不安になる時
同世代の資産額と比べても、本人に足りるかは分かりません。住宅費、家族の人数、就労、公的年金や不定期の支払いが違うからです。老後資金を比較する時は、期間と収入・支出の範囲をそろえます。
同じ手取り年金で、支出だけを比べる仮例
二つの架空の家計A・Bで、手取り年金をどちらも年216万円とします。Aの年間支出が276万円、Bが336万円なら、年の不足はAが60万円、Bが120万円です。どちらも二十五年間同じ条件が続くと置けば、不足の合計は1,500万円と3,000万円になります。
| 架空の家計 | A | B |
|---|---|---|
| 手取り年金 | 216万円/年 | 216万円/年 |
| 支出 | 276万円/年 | 336万円/年 |
| 不足 | 60万円/年 | 120万円/年 |
| 二十五年の不足合計 | 1,500万円 | 3,000万円 |
運用、物価、収入や支出の変化、別の臨時費用を省いた比較です。期間を固定した算数であり、どちらかの生活水準や貯蓄額を適切と勧める例ではありません。年金額も実際の標準額ではありません。
住居や負債の条件を省かない
家賃がある人と持ち家の人では、支出の項目が違います。持ち家でも修繕や税、ローンなどの費用があり、「家賃なし」を「住居費なし」とは置けません。住宅資産の価値を含める比較と、現金で使える金融資産だけの比較も区別します。
家族への支援や医療・介護の利用は、平均額を置くだけでは本人の条件が見えません。すぐ支払う必要がある現金と、当面使わない資産が、どちらに多いかも関わります。
平均から個人の目標を作らない
金融審議会の2019年報告書は、平均の不足と、個人ごとに違う生活を区別して説明しています。古い平均を今の自分へ移す前に、同じ世帯条件や時点なのかが問題です。
必要額が大きく見えても、高い想定利回りだけで差を埋めれば計画の不確実性が増えます。支出、働く期間、年金の見込み、資金の使う時期をそろえた後に、運用へどの部分を任せるかを考えます。
出典
出典確認日:2026年10月23日。