同じ半導体でも受注のタイミングが違う
設計、製造受託、製造装置、材料、後工程では、同じ需要増のニュースを受けても売上に表れる時期が異なります。顧客の投資計画が発表されても、装置の発注・納入・検収や材料の量産使用まで時間があります。「半導体関連」という括りから一段降り、どの工程の何が収益になるかを整理します。
売上の増加を数量と単価に分ける
仮に出荷数量が10%増え、平均単価が20%下がると、売上の倍率は1.10×0.80=0.88で12%減ります。出荷数量の回復だけを見て業績回復と判断すると、この差を見落とします。メモリーの市況、先端製品の構成比、顧客在庫など、事業に合う指標を選びます。
設備投資と利益の間にある負担
工場を増やせば供給能力は増えますが、稼働率が低い間も減価償却費や固定費がかかります。需要予想が強いときほど投資が集中し、完成後に供給過剰となる可能性もあります。受注残が多くても、納期変更やキャンセル条件を確認しないと将来売上を過大に見積もります。
各社の決算説明資料で、用途別売上、設備投資、在庫、受注の説明を同じ期間で並べます。特定の市場規模予想や成長率をそのまま個別企業の利益予想に置き換えず、競争と費用がどこに出るかを確かめます。
決算の数字を同じ単位でそろえる
受注は将来の取引予定、売上は会計上認識した取引、現金収入は回収した代金です。大型受注があっても利益率や回収期間は分かりません。前期と比較するときは、同じ事業範囲、通貨、期間かを確認します。会社の買収や為替の影響で売上が増えた分と、既存事業の伸びを分けると、テーマの勢いに引っ張られずに読めます。
出典
- 内閣府「地域課題分析レポート(2024年夏号):半導体産業の状況と地域の立地状況」(2026年10月23日確認)
- 金融庁「資産形成の基本」