上がった分を「取り逃した損失」にする
SNSで周囲の大きな利益を見て、調べる前に自分も買いたくなる。FOMOはFear of Missing Outの略で、他人の機会や経験から取り残される不安を指します。この感情があれば価格が必ず下がる、という売買サインではありません。
値上がりを見た人が、上限を変える一つの仮例
架空の株が800円から1,200円になったとします。上昇率は50%ですが、この50%は今から買う人の利益ではありません。普段は一銘柄10万円までと決めていた人が、人気を理由に上限を30万円へ3倍に変え、そのうち100株を12万円で買ったとします。
その後900円になれば、この100株は手数料を除き3万円、25%の損失です。ここでは買った額は12万円で、上限まで買ったわけではありません。それでも、もとの上限を超えて取引した事実は残ります。以前の安値を逃した気持ちと、今の資金の配分を分ける仮例です。
焦りで保有する期間まで変えない
上限を変える理由が、急がないと間に合わないという気持ちだけなら、根拠を補ったことにはなりません。
また、短期の話題で買った後に下がり、「長期なら戻る」と保有理由を言い換える失敗もあります。企業の事業見通しを調べず、期間だけ伸ばしても根拠は補えません。生活費を投じたり、損失を取り返すために追加購入したりすると、家計への影響も大きくなります。
急がせる相手の意図も確認する
「今日しか買えない」「皆がもう利益を出した」という宣伝は、不安を利用する場合があります。米国SECはFOMOを利用した投資詐欺への注意を促しています。銘柄分析とは別に、相手の身元、送金先、商品の仕組みを調べ、利益保証を根拠に送金しないようにします。
注文前には、今の価格で買う理由、保有額、下落時の影響を書きます。確認が間に合わなければ、機会が過ぎる可能性を受け入れて見送れます。買わなかった後に上がっても、調査を省いてよかったという証明にはなりません。