埋没費用は過去、機会費用は今からの代替案
ある人が投資手法の講座へ8万円を払い、返金を受けられない場面です。今後もその手法を使うか考える際、8万円は選択を変えても戻らない埋没費用です。「元を取るまで続ける」と、その後の負担を見落としかねません。
今週末の5時間を同じ手法の練習へ使うなら、次に選びたい資格学習を諦めるかもしれません。その学習で得られる価値が、今回の時間配分の機会費用です。過去の8万円と、これからの5時間は別の判断材料になります。
講座を終えた人の、今からの資金を比べる
この人が今から行う投資も、同じ場面に置きます。講座で学んだAに置く100万円をBへ移すと、売買費用が合計3,000円かかる仮例です。Bの今後1年間の利益を6万円、Aの利益を4万円と予想するなら、Bへ移ることで諦めるAの利益は4万円。BとAの予想差2万円から費用3,000円を引くと、乗り換えによる増分の見込みは1万7,000円です。
これは税を省いた試算で、予想どおりに進む保証はありません。費用3,000円は実際の支出、4万円は諦める予想利益、1万7,000円は乗り換えの増分です。三つの数字へ同じ名前を付けると比較が崩れます。
後悔とも区別する
乗り換え後にAが急騰しても、その結果だけで元の比較が誤りだったとは限りません。購入時点で分からなかった材料と、見落とした材料を分ける必要があります。
現在の投資を選ぶ場合と変更する場合を、今から先の同じ期間で比べます。そのうえで税・費用・リスク、使う時期をそろえれば、埋没費用に引っ張られることも、後知恵で機会費用を膨らませることも減らせます。