同じニュースを見た二人の仮例
仮想のA社株が急落し、時価100万円の保有が85万円になったとします。一人は「さらに下がる」と感じ、会社の開示も家計も見ずに全額を売りました。もう一人は、半年後に使う30万円を現金で確保する必要が分かり、その分を売る案を検討しました。
二人とも不安を感じていても、判断の過程は同じではありません。後者でも売却方法や商品条件の確認は必要ですが、必要資金という具体的な目的があります。前者の売却が結果として有利でも、情報を省いた手順が次も適するとは限りません。
売却後の負担を現在額で比べる
85万円のうち30万円分を売れば、費用を除いて株55万円と現金30万円になります。残る株がここから20%下がる仮定では、減少は11万円です。全保有なら17万円、全売却なら、その株の値動きによる減少はありません。
上昇する場合も、参加する量は同じように変わります。残りの55万円を保有する根拠と、現金30万円の支出目的を分けて記します。一部売却がどの場面でも最善という説明ではありません。
相場の底を知っていた扱いにしない
売った後に回復すると「待てばよかった」と感じることがあります。しかし回復する時期は、売却時には確定していませんでした。逆に持ってさらに下がった時も、結果だけでは当時の情報を使えたかまでは分かりません。
記録には、会社の開示、必要資金、当初の保有条件を残します。新しい悪材料が出た場合と、市場全体の変動だった場合を分け、何が未確認だったかを見直します。
狼狽売りを避ける目的は、下落中に一切売らないことではありません。自分の金額と期限を具体化し、恐怖だけに押されて確認を省かないための比較として使います。