記事の図解

値上がりが買いを呼ぶ循環

株価が上がると、周囲の利益話や強気な見通しが目に入り、「乗り遅れたくない」という気持ちが強まることがあります。新たな買いが価格を押し上げると、その値上がりがさらに注目を集めます。こうして価格上昇そのものが購入理由になり、企業の利益や将来の収益力を確かめる作業が後回しになるのが、バブル心理の一つの形です。

急騰している市場が必ずバブルだと、事前に明確に見分けられるわけではありません。新しい技術や事業が本当に成長している場合もあります。問題は、根拠の確認なしに「上がったから、これからも上がる」と考えることです。期待が先行した価格では、成長が続いても市場予想に届かないだけで大きく売られる可能性があります。

ありがちな失敗と防ぎ方

よくある失敗は、値上がりを見て投資額を増やす、借入や信用取引で利益を急ぐ、下落後に損失を取り戻そうとしてさらに買うことです。価格が反転すると、資金を必要とする時期に売らざるを得なくなることがあります。生活資金や近い将来に使う予定のお金を、期待先行の資産へ入れないことが基本です。

判断を整えるには、買う前に「何が利益成長を支えるのか」「現在の価格にどの程度の成長期待が含まれているか」「どんな事実が出たら投資理由を見直すか」を書き出します。株価が上がったことだけでは、事業価値の上昇を示す十分な根拠になりません。価格の勢いと企業の収益力を別々に点検し、情報が偏っていると感じたら一呼吸置くことが、熱狂に流されない助けになります。