二年間だけ投資を休めば安全になるのか
長く保有する方針でも、「申酉騒ぐ」と聞いて、その二年だけ株式を避けたくなる場合があります。格言は年と変動を結びつける言葉であり、その期間の期待収益や、最適な再開時期を示すものではありません。市場から離れた間の結果も、計画に含める必要があります。
市場を避ける期間を置く架空の例
架空の指数が二年続けて10%ずつ上がる経路なら、当初100万円の保有額は、追加入出金なしで121万円になります。二年間ずっと現金で待ち、現金の利息をゼロと置けば100万円のままです。配当、費用や税を省いた比較で、実際の申年・酉年が上がるという主張ではありません。
逆に下落する経路なら、現金で待つ方が資産を保てる場合もあります。この例だけで常時保有が優れているとも決まりません。どちらの経路かを事前には知らないまま、売却と再開の時点を選ぶ不確実性が残ることが論点です。
保有を変える理由を年の名前と分ける
住宅や進学、退職などで使う資金が近づいたなら、値動きの大きい資産から必要額を分ける理由になります。これは、その年の干支が何かとは別の事情です。投資先の事業前提が変わった時の売却も、暦から相場を占う行動とは区別します。
保有商品の分散にも限界があります。異なる商品名でも、中身が同じ市場や業種へ偏っていれば、同じ下落を受ける場合があります。運用の期間を長くするだけで、途中の損失が家計に無関係になるわけではありません。
金融庁の説明は、家計と生活設計に合わせた資産形成を出発点にしています。長期だから何も変えないということでも、格言の年だから一斉に変えるということでもありません。
干支が巡って来るたびに方針を替えるなら、その根拠が市場データと資金の使途にあるかを考えます。格言が指定しない出口と再開条件を、後の株価で都合よく決めないことが必要です。
出典
出典確認日:2026年10月23日。