無期限の制度と、変わる生活
現状維持バイアスは、現在の設定を変えることに抵抗があり、比較を省きやすい偏りです。NISAでは「長く持てるから一度決めたら点検不要」と受け止めると、収入や支出が変わっても積立額が固定されたままになりがちです。
仮に月4万円を積み立てている家計で、収入減により投資へ回せる額が月2万5,000円になったとします。設定を放置すると月1万5,000円、年間18万円を預金から補います。非課税制度を使い続けることより、必要な現金を確保できる設定かが先です。積立額の変更と既存商品の売却は別の判断として考えられます。
売却後の枠は、すぐ同額戻るとは限らない
金融庁の説明では、新NISAの非課税保有限度額は、売却した商品の取得額を基準として翌年以降に再利用できます。売却額そのものが戻るのではなく、その年の年間投資枠も増えません。
たとえば100万円で買い、130万円で売った商品の場合、翌年以降に再利用できる総枠の金額は100万円です。これを「今すぐ130万円分を追加購入できる」と考えると、計画と制度が合わなくなります。再購入はその年の年間投資枠などの範囲内です。
続ける理由も、変える理由も具体化する
点検では、使う時期、同じ地域や企業への偏り、商品の費用と運用内容を確認します。NISA対象商品であることは、値下がりしない保証ではありません。一方、制度を正しく使えていて目的にも合うなら、現状維持バイアスを恐れて売る必要もありません。
確認した結果を記し、売買による不利益や手続きも比較します。相場が不安だから毎月乗り換える方法では、長期の方針とずれることがあります。制度上の取扱いは2026年10月22日に金融庁の資料を確認しています。