過去の値動きを、比べられる条件へ揃える
モメンタム投資では、一定期間の成績が強い資産を選び、その傾向の継続を期待する方法があります。MSCIも過去の価格パフォーマンスなどに基づくモメンタム指数を提供しています。ここでは複数銘柄の相対的な強さを比べる使い方を考えます。必ず上がるという自然法則ではありません。
同じ株の短期移動平均が長期移動平均を上抜いたというチャート上の条件と、複数銘柄を過去リターンで並べる条件は異なります。何の期間を測り、どの集団と比べるかを決めることで、感覚的な「勢いがある」を検証できる数字へ直せます。
同じ1,000円からの変化を比べる例
仮想の3銘柄が同じ観測期間の初めに各1,000円で、期末にAは1,200円、Bは1,050円、Cは900円だったとします。配当と費用、株式分割などを除けば収益率はAが20%、Bが5%、Cがマイナス10%です。この期間の価格変化だけならAが最も強いと分かります。
ただしAが事業価値に対して割安かは、別の情報が必要です。期間を直近一週間へ変えれば順位が違う場合もあります。最も上がる銘柄を当てた例ではなく、期間と計算を揃えて既に起きた値動きを比較する例です。
業績の調査と組み合わせ、強さの理由を問う
価格が強い銘柄を見つけたら、新しい受注や利益予想など、確認できる材料があるかを調べます。一方、短い期間の注文集中で動いている可能性も残します。価格が強いという結果だけから、内部の買い手や将来の増益を断定しません。
調査済みの候補の中で、購入のタイミングや保有の継続条件を考える補助にも使えます。利益予想が改善しているのに価格が弱いなら、期待が既に高いのか、別のリスクがあるのかを確認する問いになります。価格と業績が一致しない場面も記録します。
入替えと費用まで含めて、利用価値を調べる
順位を毎日変えて売買すれば、取引費用や売買価格差が増える場合があります。指数運用にも選定や入替えの規則があり、単純な一日の上昇率ランキングを買う方法と同じではありません。実際の商品の対象、費用、投資先の偏りも確認します。
モメンタムが役立つかは、対象期間、保有期間、数量、費用後の結果で判断します。過去に強かった銘柄が急に反転する可能性を残し、損失額や同業種への集中も点検します。勢いという言葉を注文の結論にせず、同じ条件で比べる調査手順へ変えることが、この考え方を学ぶメリットです。