過去に上がったことと、今後の利益を分ける
モメンタムは、過去一定期間に強かった銘柄の傾向が続くことを期待する投資の考え方です。MSCIのモメンタム指数も一定の選定規則で構成されます。ところが、既に上がった価格で買うため、予想の変化や相場の転換で、その後の下落を受ける場合があります。
一時的な急騰と、比較的長い期間の傾向を混ぜないことが先です。過去一日の上昇率、数か月の収益率、変動の大きさを調整した指標では、選ばれる銘柄が違います。「モメンタムだから」という言葉だけでは、何を検証したかが定まりません。
1,000円から1,200円へ上がった後で買う例
仮にある株が観測期間に1,000円から1,200円へ上がり、相対的に強いと判断して1,200円で100株を買ったとします。その後900円になれば、価格差の損失は3万円、購入額12万円の25%です。前の期間の20%上昇は、その購入者の利益ではありません。費用・税を除きます。
急騰してから情報を見た人が、前の安い価格からの成績を自分の見込みへ入れると誤ります。注文を決めた時点で利用できたデータと、実際の購入価格を使います。次の期間が上がる場合も下がる場合も、同じルールで記録します。
入替え費用と、似た銘柄への集中が増える場合
銘柄の順位変化に応じて頻繁に入れ替える方法では、手数料が無料でも売買価格差や約定ずれが残る場合があります。仮に月の売買の負担が一組500円で10組なら5,000円です。運用資金50万円に対して月1%となり、費用前の利益があっても減らします。
強い銘柄が特定業種へ集まる時期には、異なる社名を持っていても同じ材料で下落する可能性があります。上位銘柄数だけで分散を判断せず、業種、通貨、共通する需要を確認します。順位が変わってから売ろうとしても、急変で想定どおりの価格にならない場合があります。
良く見える期間だけを選ばず、条件を固定する
過去の結果を見て観測期間や入替日を何度も変更すれば、たまたま良かった条件を選びやすくなります。消えた銘柄や売買できなかった数量を除いた成績も、実際に可能な運用より良く見える場合があります。評価に使ったデータと費用の前提を残します。
過去の検証に使わなかった後の期間でも、同じ手順で記録します。損失を避けるため別の指標を組み合わせるなら、その指標で見逃す上昇や費用も比較します。モメンタムという説明を将来の保証にせず、どの環境で、どれほどの損失と費用を受ける方法かを確認する必要があります。