群集心理を長期投資に生かす視点

長期の方針が周囲の空気で変わるとき

群集心理は、多くの人が同じ判断をしていることを理由に、自分もその判断へ寄りやすくなる状態です。長期投資でも、SNSで資産増加の報告を見るたびに投資額を増やし、下落時の悲観を見て積立を止めるなら、周囲の行動が方針を変えるきっかけになっています。

他人の経験を参考にすること自体を避ける必要はありません。ただし、相手の収入、保有資産、生活費、資金を使う時期は自分と異なります。人気の方法であることと、自分が続けられる方法であることを分けて確かめます。

積立を増やした後に下落した仮想例

毎月の手取り25万円、生活費などの支出21万円の人が、余る4万円のうち2万円を積み立てていたとします。周囲の成功談を見て積立を5万円へ増やすと、毎月の収支は1万円の赤字です。資産価格が上がり続ければ問題ないと考えても、生活用の預金は減っていきます。

積み立てた資産が値下がりしたとき、赤字を補うため売れば、長期で持つ計画を続けられません。この例の不足は相場を予測できなかったことだけではなく、家計から出せる額を超えて積み立てた点にあります。値動きと独立に、現在の収入と支出から拠出額を決め直す必要があります。

評判の数より元の資料と重複を見る

同じ投資信託を勧める投稿が50件あっても、すべてが一つの未確認の話を引用しているなら、独立した50件の根拠ではありません。何を保有する商品か、費用はいくらか、どの資料を根拠にするのかへ戻ります。

複数の商品が話題になっていても、実際の組入資産が同じ国や業種へ偏っていれば、保有本数ほど分散できていない場合があります。評判に合わせて商品を足す前に、既存の資産と重なる部分を確認します。多くの人と同じ商品を持っているだけで間違いになるわけではなく、その商品を選ぶ自分の理由が残るかが確認点です。

見直しのきっかけを決めておく

積立額は給与、固定費、家族の予定が変わったときに確認し、資産配分は定期的な見直し日を設ける方法があります。見直し日を決めても放置を強制するわけではありません。商品方針の変更など、臨時に確認すべき情報は別に扱います。

方針を変えるメモには、見た投稿の数より、家計の余剰額や商品に起きた変化を書きます。「みんなが売っているから」としか説明できなければ、まず元の情報を調べます。周囲の判断へ必ず逆らうことも、別の形で他人に基準を預ける行動です。生活に必要な資金を残し、商品の中身を理解して続けられる範囲を自分で決めます。

出典