頭と尻尾はくれてやれとは?意味と投資での見方

売った後に上がっても、それだけで失敗とは決まらない

売却した後に株価が上がると、もう少し待てばよかったと感じます。しかし、その後の高値を売る前から確実に知っていたわけではありません。買う時の最安値も、見えているチャートの期間が終わってから分かる部分があります。

「頭と尻尾はくれてやれ」は、底値と天井を両方取り切ることにこだわらず、その間での成果を考える相場格言です。値幅の何割を取ればよいという共通の計算式や、誰でも利益が残る方法ではありません。

売買した価格と、後から見た高安を分ける仮例

独自の架空の値動きで、株価が700円、760円、820円へ上がり、820円で100株購入したとします。その後900円、980円、1,020円へ上がり、1,020円で全株を売却。さらに後で1,100円へ上がり、1,040円、990円へ下がったと設定します。

売買した価格では、購入額8万2,000円、売却額10万2,000円で、利益は2万円です。指定した価格で成立できたと仮定し、費用、税金、配当等は除いています。

この期間の安値700円、高値1,100円を両方取ったわけではありません。それでも、後から見た値幅の全部を逃したことと、売買で損失が生じたことは違います。将来さらに高い値や安い値が出る可能性もあり、この並びが実際の売買で再現できる予測ではありません。

欲張らないことと、根拠を考えないことは別

格言を理由に、少しでも上がったら機械的に売る、と決める必要はありません。投資前の目的、期待した事業の変化、価格と保有する期間によって、売却を考える条件は変わります。

買う側も、最安値を待たなくてよいことから、いくらでもよいという結論にはなりません。払う価格が高くなれば、同じ将来の成果に対して得られる余地は変わります。取り逃した印象を取り戻すために、理由のない買い直しをしないようにします。

売った後の価格だけを評価基準にするより、売る時点で分かっていた事実と、当初の条件がどう変わったかを記録する方が、次の判断を点検しやすくなります。

損失が出た時の対応を、別に決めておく

この格言は、購入後に下がった時の損失をなくすものではありません。事業の見立てが崩れたり、使う予定の資金が必要になったりした場合の対応も考えます。含み損のまま、胴体の利益を取れるはずだと期待し続ける根拠にはできません。

逆指値を使う場合も、条件に達すると実際の注文が出る仕組みで、指定した発動価格で必ず売れるわけではありません。取りたい利益と、売買が成立する条件、損失を負える範囲を分けて扱います。

出典